第120話 仕込み開始
6月2日
今日からFXの取引を再開する。
最後に取引をしたのが1月だったから半年も期間があいてしまった。
今現在のドル円レートは1ドル101.95円、ユーロ円レートは1ユーロ138.87円。
1月にドル円レートは104円台だったものが今日では101円台まで円高に進んだ。
ドル円はいい感じだけど、ユーロ円はもう少し円高になるのを待っても良いかもしれない。
そして今年の10月に日銀の量的緩和政策の第二弾が行われる。
ここから年末年始にかけて一気に円安になっていたはず。
これを狙う。
ドル円レートが101円台以下の時と、ユーロ円レートが137円台以下の時に少しずつドルとユーロの買い注文を出すことにした。
予算は400億円も準備してあるし、証拠金には十分だろう。
この仕込みはドル円は大体7月末までに、ユーロ円はちょっと遅れて8月末までに終わらせる。
その後は朗報を待つだけ。
今回は結構稼げるだろうし楽しみだ。
「先輩!みてみて!A判定だったよ!」
愛美は帰宅すると興奮した様子で模試の結果を見せてきた。
「おー、すごいじゃん。頑張ってたもんね〜」
「えへへ、先輩に褒めてもらいたくて!」
頭を撫でられて嬉しそうにしている。
「志望校はここで決まり?それとも他に行きたい所とかある?」
目指している女子大は余裕で受かりそうだな。
もっと上を目指すこともできそうだけど、できれば女子大に行ってくれる方が安心なんだよな。
就活して良い会社に入らなきゃいけない訳でもないし良いよな?
大学生になったら俺の所で雇うつもりだし。
「先生とか親からはもっと上の大学勧められたけど、ここで良いかなって!家から近いし、そのほうが先輩と一緒に居られる時間が増えるでしょ?」
なんか・・・一緒に居たいと思ってくれているのが純粋に嬉しいな。
こんな良い子をハーレムの一員として、複数の中の1人としか見てあげられないのは少しだけ心が痛む。
本来なら愛美だけを見てくれる人と幸せになっていたかもしれないのに。
・・・ま、今更やめるつもりなんか一ミリたりともないけど、幸せの形なんて人それぞれだし。
「そうだね、俺もそのほうが嬉しい。ありがとう」
「ほんと!?先輩が喜んでくれるなら私も嬉しいな!」
「あ、そうだ。勉強頑張ってたし何かご褒美あげないとだね」
「ありがとう!でもご褒美は大丈夫!自分の為に頑張ってるんだもん!」
「そう?じゃあ今度2人で食事とか行こうよ、気晴らしにもなるし」
あまり外食とかもしてないし、まして2人で行くことも少ないからな、偶には良いだろう。
「あ、それは行きたいかも!」
どこに行こうかな?不公平にならないようにアリサとも予定を立てないと。
アリサは・・・聖奈とゲームで遊んでるな。
模試の結果どうだったんだろう?というか受験生が帰ってきて早々にゲームで遊んでいいのか?
聖奈は妹が受験生だってことわかってるのかな?
勉強とか教えてあげたりとか・・・する訳ないか。
というかこの姉妹はほんと仲が良いなあ。
「・・・じゃあ、いいところ探しとくよ。食べたい物とかある?」
アリサには後で結果を聞いておこう。
「先輩の食べたいものでいいよ!」
「りょーかい」
こういう時くらい我儘言っても良いのに。
愛美の良いところでもあるけど、あんまり遠慮されるのもな。
お寿司にするか・・・肉より魚の方が好きだったよな?
「あ、忘れてた!夏休みにオープンキャンパス行ってきてもいい?パパとママがもう一度見に行った方がいいよって!一緒に行こうか?って言ってた!」
ちょうどいいな、俺も家の進捗とかその近所のマンションとか確認しに東京行こうと思ってたんだ。
「もちろん、俺も東京行こうと思ってたし」
「やった!じゃあ先輩と一緒に行くって言っとくね!」
いいのかな、娘と旅行に行きたかったんじゃないかな?まあいいか。
今度みんなのご両親に旅行とかプレゼントしても良いかも。
6月中旬
資産管理会社NIFの口座に3月に確定した分の配当が振り込まれていた。
合計で4億3742万5000円。
少ないな、億の単位が一桁だと物足りない。
まあこれは半期分で、年間で見れば単純計算で倍の額を受け取ることになるはず。
来年はもっと人を増やしたいし、もう少し個人名義の株式を委譲することも考えないと。
ただ闇雲に持っている株を委譲してしまうのも問題があるんだよな。
後で個人資産に戻そうとすると面倒だし、配当でも総合課税で55%の税金が取られるし。
ひとまず、どワンコ株はNIFの方に移すか。
ここは発行済み株式数の4.9%を保有していて、第4位の大株主になっている。
と言っても50億程度の価値しかないけど。
今年の10月には出版社の丸川と経営統合して、MARUKAWAになる。
7月に承認をするための株主総会を開催するというお知らせが届いていた。
統合すれば持株比率も下がるし目立たなくなるだろう。
「先輩お待たせ!」
制服から私服に着替えた愛美が部屋から降りてきた。
水色のワンピースの上にジャケットを羽織っていて、普段より清楚で少しフォーマルな感じだ。
髪は下ろしていて、いつものサイドポニーとは違って大人っぽい。
「綺麗だね、それにいつもより大人っぽい感じ。その時計もつけてくれたんだ?」
腕には少し前、高校生組にプレゼントした高い方の時計もつけている。
「えへへ、そうなの!こっちは普段はもったいなくて使えないから、こういう時にね!」
2人で手を繋いで玄関を出る。
玄関前には車が止まっていて、俺たちが出て来るのを見ると運転手さんがわざわざ外に出てドアを開けてくれる。
この車、後部座席にはマッサージ機能なんかもついていたり、小さな冷蔵庫までついている。
快適なんだけど真ん中に肘おきがついていて、イチャイチャしずらいのが難点だ。
「先輩!あのね!アリサと彩華がね!・・・」
「先輩知ってる?最近ね!壁ドンって流行ってて・・・」
テンション高いなあ。
車内ではずっと彩華が喋り続けている。
最近は特に2人だけという機会がなく、彼女たち皆んなと一緒だから話したいことが溜まっていたんだろうな。
話題がコロコロ変わっていって、俺はさっきから相槌を打つくらいしか出来ていない。
「ね!どう?先輩に今度やってほしいなぁって」
そうくるか・・・そういう柄じゃないんだけど、しょうがない。
「愛美がしてほしいなら今度しよっか」
というか普段から方向が違うけどベッドドンはしてるんだけど、壁じゃなきゃだめかな?
「ほんと!?やった!友達も彼氏にしてもらってキュンってしたって言ってた!」
俺がやってもそうなれば良いんだけど。
「キュンって言えばね!すっごく面白いテレビがあってね!テラスハ・・・」
「・・・男女が一緒に暮らして恋愛するの!今度一緒にみようよ!」
うわ〜、一番苦手なやつ。
女の子はこういうの好きだよなあ・・・。
「面白そうだね、一緒にみよっか」
・・・頑張ろう。
ハーレムのためだし、何より可愛い愛美のためだし。
「先輩ってほんと優しいよね!お願いとか相談とかいつも聞いてくれるし!ありがとう!」
そう言われると悪い気はしない。
「そういうところ・・・大好きです」
最後の方は消え入りそうな声で、少し恥ずかしそうに言っていた。
鈍感系主人公なら聞き逃すんだろうけどちゃんと聞こえた。
「俺もいつも元気で頑張り屋で、気配り出来る愛美は大好きだよ。愛美はいつも遠慮がちだし、もう少し我儘になっても良いからね?」
その後は寿司屋に入っても、家に帰ってもずっとハイテンションのままだった。
最初は店構えを見て緊張しているような感じだったけど、寿司が出てくると幸せそうに食べては話してと忙しそうにしていた。
少し疲れたけどハイテンションの愛美は可愛いかったし、連れてきて良かった。
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どワンコ→ドワ○ゴ
丸川→角○
MARUKAWA→KADOKAW○
逆行転生してお金もハーレムも手に入れる! たこ @tako_syousetu
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