第119話 (2014年5月20日) 5月
5月、ゴールデンウィーク明け。
今年のゴールデンウィークは特に何もしないうちに終わった。
高校生組が受験勉強に追われているのに、俺達だけ旅行に行くというのも可哀想だったからな。
といっても美咲や渚、聖奈、杏奈達大学生組と遊んだり、愛美やアリサ達の勉強をみたりはしていたけど。
新しく雇ったメイドさんや警備員さん達も仕事や、俺達ハーレムの状況にもようやく慣れてきたみたいだ。
最初は多分ドン引きされていただろうな、契約時には普通に話していたのに、ハーレムの事を知った途端そっけなくなったし。
特に高校生にまで手を出しているからな。
まあ、普段の仲の良さを見てるうちに理解してくれたのか、元から働いてくれている由依ちゃんとか楓先輩とかがとりなしてくれたのか、変な目で見られる事も少なくなったし、普通に話しかけられるようになった。
東京の方も順調に家の建設も進んでいるし、夏あたりに進捗確認に行けばいいかな?
とか考えていると、サークルが終わったみたいだ。
「浩介先輩はこの後の飲み会参加しますかー?」
新入生の女の子が話しかけてきた。
「行く予定だよ」
20歳になって飲み会に参加するようになって分かったが、このサークルは酒飲みが多い。
女子が多いこともあって、他のサークルではあまり飲まない子でも安心して飲めるらしい。
俺と渚はいつも途中で帰るけど、朝まで飲むことも結構あるみたいだ。
「やった!じゃあ私も参加することにしますね!色々お話し聞きたいです!」
俺が行かないって言ったら行かないつもりだったのかな?
「FXの事?分からない所とかあった?」
「えーっと、先輩の事色々知りたいと思って!」
やたらボディタッチの多い子だなあ、腕やら手やら触ってくるしそもそも距離が近い。
「そっか、まあ参加したいなら幹事の人に言っておいで?」
「はい!先輩のお隣は空けておいて下さいね!」
そう言い残して飲み会の幹事の方に走って行った。
見た目はそこそこ可愛いけど、そこそこだな〜。
先輩としては積極的に話しかけてくる後輩は可愛いけど。
ただ積極的すぎて少し引いてしまう。
しかも渚が隣にいるってのにボディタッチとか・・・中々にいい性格をしている。
サークルメンバーは俺達が付き合ってる事を知ってるはずなんだけどなあ。
「モテモテだね〜!彼氏がモテると優越感が凄いよね〜!」
渚の方がいい性格してた。
わざわざ腕を組んできてニヤニヤしている。
「モテてるのかな?俺が言うのもなんだけど嫉妬とかはしないの?」
さっきの子が俺を狙ってるのか、お金を狙ってるのか、そもそも本当に話したいだけなのか分からないけどな。
「それは今更でしょ〜?」
まあ、今更だよな。
「それとも嫉妬して欲しいの〜?」
ニヤニヤ顔が少しうざいな。
「少しだけね」
ハーレムの為にも独占欲が強くても困るけど、全く嫉妬されないのも不安になる。
「も〜わがままだね〜!だからこうやって腕を組んで彼女アピールしてるんでしょ〜?」
腕を組んだのはそういう意味だったか。
「ふ〜ん?じゃあちょっとは嫉妬してたんだ?」
「む〜、それはそうだけど〜!無尽蔵に彼女増やされたら私の相手をする時間が減っちゃうでしょ〜?彼女にする子はちゃんと選んでね〜?」
小声で俺にだけ聞こえるように言ってきた。
ふむ、ちゃんと選べば増やしていいのか。
これで彼女達や香菜ちゃんレベルに可愛かったら狙ってたんだけど・・・そこまででもないし。
今は香菜ちゃんをどうやってハーレムに加えるか、という難題があるからな。
4月の中旬に杏奈と3人で買い物をして以来会っていない。
高校に入学したばかりで忙しいのに、アイドル活動やテレビに映画の出演、雑誌の取材やらでめちゃくちゃ忙しいみたいだし。
何かきっかけがないと仲の良い友達のまま時間だけが過ぎそうな気がする。
せめて愛美達と同じ高校なら会う機会も増やせたんだけど・・・。
可能なら高校卒業までに、上京して色々な事を知る前に付き合えればいいな。
とりあえず夏休みと、香菜ちゃんの高校の文化祭に期待するしかないかな?
「先輩って普段何してるんですかー?」
飲み会が始まってちゃっかり隣を確保したさっきの子が話しかけてくる。
反対側の隣にはもちろん渚もいる。
「ほとんど彼女と一緒に過ごしてるかな」
「そうなんですか!・・・どんなことして遊ぶんですかー?」
「家にいる時はゲームとかテレビとか映画見たり。あとは買い物に行ったりとか」
あとは聖奈と動画サイト見ながらイチャイチャしたり、渚とトレーディングルームで取引終わりにイチャイチャしたり。
美咲や愛美と一緒にイチャイチャしながら料理をしたり、杏奈とイチャイチャしながらファッションショーしてもらったり。
アリサとイチャイチャしたり、かな。
ずっとイチャイチャしてるな?
「あ、そうだ!先輩のお家ってすっごく大きいんですよね?私行ってみたいなー!」
ぐいぐい来るなあ。
「たまにサークルの女子会とか家でしてるし、その内機会あるんじゃないかな?」
「えー、でも女子会だったら先輩は参加しないんですよねー?女子会じゃない時がいいなー!」
時々参加している、というかさせられてる。
「彼女の相手で忙しいからなあ」
「彼女さん、渚先輩だけじゃなくて他にもいるんですよね?私も立候補しちゃおっかなー?」
お、直球で来たな。
「多すぎて手に余るくらいで・・・今のところ増やす予定はないかな」
「えーじゃあ、付き合う前にお試しでもいいですよー?」
ちょっとそそられるけど、一回やったら彼女面してきそう。
「浩介、そろそろ帰ろっか〜!」
いい所で渚が助け舟を出してくれた。
「そうだね、じゃあまたサークルでね」
「えー!もうですかー!?」
なんか騒いでるけど、放置しておこう。
5月20日
今月頭から始めていた取引が完了した。
1月に出たFXの利益の内535億円が手付かずで残っていて、400億円程度は次のFX取引に使うとしても、残り135億円の使い道が中々決まらなかった。
投資したのはアパゴ・テクノロジーという米国企業で、半導体やソフトウェア関連の企業だ。
2020年時点の半導体関連企業の売上高でトップ10に入り、すでに投資しているエムビディアよりも確か上位だったはず。
現時点では時価総額も2兆円程度しかないし、これから大きく成長することも期待出来る。
株価については詳しく覚えていないけど半導体なら大丈夫だろう、ということでここに決めた。
いつ変わったのかわからないが、転生前の2021年までに名前が変わっている。
アパゴ・テクノロジーがプロードコムという企業を買収した際に、プロードコムの名前に変更していた。
最初この買収された側のプロードコムに投資しようとしていたが、寸前でそのことを思い出して事なきを得た。
そっちの株を買ってもそこまで問題はなかったかもしれないけど。
結局、アパゴテクノロジーは一株あたり平均68.261ドルで172万株、合計120億円で購入することができた。
時価総額の約0.55%を取得したことになる。
銀行口座の残高も7億円程度まで減っているし、残りの15億は銀行口座に送金しておくか。
「ふぅ」
「お仕事終わった〜?」
隣で株価をチェックしていた渚が俺の顔を覗き込んできた。
「うん、なんとか」
「おつかれさま〜!」
俺の膝の上に移動してきた。
いつもの流れだ。
取引している時や、考え事をしてくる時は邪魔をしないが、終わった途端ひっついてくる。
「ありがと、そういえば渚が買った株はどんな状況?」
「いい感じだよ〜!買った時から1.6倍になってるんだ〜!」
確か渚がタイフク株を買ったのが去年の5、6月くらいだったから、ちょうど1年くらいか。
「なかなかいいね、含み益もかなりあるんじゃない?」
俺の場合、今日の時点での総資産が7808億7000万円で、1年前の5月時点では5481億円だったので、大体1.4倍にしかなっていないからな。
もちろん規模がでかいから増加額も2327.7億円ととんでもないんだけど。
「むふふ、18億くらいかな〜!そろそろ売った方がいいと思う?」
「おー!凄いじゃん。大丈夫だと思う、というかもっと期待できるんじゃない?ネット通販とかまだまだ伸びるだろうし」
タイフクは物流システムや自動倉庫などの会社で、将来的にはもっと株価が上がっていたはず。
「そっか〜!浩介がそう言うなら大丈夫だね〜!」
今年もこのままの勢いが続けば来年には総資産1兆円突破も見えてくる。
正直こんなに早くここまで来れるとは思わなかった。
2021年の転生した日までしか俺のアドバンテージはない・・・とはいえ十分すぎるな。
その日までにどこまで行けるのか楽しみだ。
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アパゴ・テクノロジー→アバ○・テクノロジー(現:ブロードコ○)
エムビディア→エヌビディ○
タイフク→ダイフ○
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