もうすぐ今年が終わる
赤狸湯たんぽ
第1話
「もうすぐ今日が終わるねー。」
「今日どころか、もうすぐ今年が終わるわよ。あんた、年越しに初詣行きたいんでしょ?コタツ潜ってないでそろそろ準備しなさいよ。」
「えー、寒いじゃーん。嫌だよー。」
「じゃあ、初詣行くのやめる?」
「嫌!」
「じゃあ、うだうだ言ってないで準備しなよ。」
「んー。じゃあ、チューしてくれたら準備する!」
「うわ めんどくさ。」
「ひどいー!チューするだけじゃん!簡単じゃん!」
「いや簡単じゃないし、する意味がわかんない。」
「えー!だって動くのにはエネルギーがいるんだよ!チューは幸せエネルギーを120%満たしてくれるから、チューがあれば今のエネルギーが枯渇した状況を打開できるんだよ!だから、今の私にはチューがマストで必要なマターなんだよ!!」
「そんな熱弁されても。」
「バッテリー残量が少なくなっています。直ちに充電してください。」
「……はぁ。もう。(歩み寄る音)ちゅっ。今日のところはおでこで我慢しなさい。」
「はい!!十分満足ですっ!」
「馬鹿言ってないで早く準備して。」
「あいあいハニー!一目散で準備するぜ!」
「あんたのワガママに散々付き合ったんだから、帰ってきたらお雑煮作りなさいよ?」
「いひひひひひひひっ(笑い方の例で独自個性的な笑い方を見つけてくれれば良い)。今の私は気分がいいでな、元日朝一番の年越しちゃったうどんも付けましょう!」
「調子のいいこと言って。どうせあんたは昼まで寝てるんでしょ。けど、楽しみにはしとくわ。」
「んーーーーーー、はい!!準備できた!いつでも行けるよん!」
「相変わらず準備だけは早いわね。私はもう少しかかるから、そこでおとなしく待ってなさい。」
「……zzz。」
「寝ようとしないの!」
「んはいっ!……んあ、年越してる!えーー!年越しジャンプで『今年の年越しも空中で年越したわー』ができなくなったぁ〜。ショック!」
「馬鹿なの?」
「えー、大事だよ空中で年越し!私、今年やれば5年連続のアニバーサリーだったのにぃ〜!!」
「それは残念だったわね。それより言うことがあるでしょ?」
「え?」
「年越したんだから。」
「あー、そっか!あけましておめでとう!」
「うん、おめでとう。今年もよろしくね。」
もうすぐ今年が終わる 赤狸湯たんぽ @akadanuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます