複雑な”いと”が教えてくれるもの

前作からさらに深く、その先へ。
登場人物たちの過去が明らかにされていくことにより、彼らの存在がより鮮やかに際立ち、隠されていた時間のあれこれに目を見張る思いでした。
いかに自分を生きるかということは、不可解で残酷で、それでいて何よりも美しいものなのかもしれません。誰もが何かに絡め取られ、それゆえに与えられる喜びや苦しみは時として想像を超える。けれどその向こうにある自身の想いに気づき、より強いものとしていくためには……。
彼らの想いとともに、じんわりと広がる優しい余韻がなんとも心地よかったです。

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