第2話 幸

 ある朝、僕は夜中の4時に目を覚ました。その横には、冷たくなった幸がいた。


 この日からというもの僕は何をする気にもなれなかった。ただ僕が普通とは違う、変わっているだけで殴られていた日々も、幸が死んだからといって変わることなく続く。幸の命には終わりがあって、でも僕に対するいじめは終わりはない。いつしかそう考えるようになってしまった。いつかはこのいじめも終わるだろうと思っていたのに。ついに僕は『死』という言葉が頭に浮かび上がるようになった。ひどい時には『死』について1日中考える時だってある。それでも僕は生きてるんだ。傷だらけになった自分の腕を見ると心が落ち着く。

幸、なんで僕を置いていくの、。


 僕はいじめられていることを親に言えずにいた。だから毎日学校に行くふりをしてサボった。学校の近くの河川敷の隅に腰掛け、川の流れを一日中見ているのだ。でも今日はなんだか違っていた。僕の横に女の子が座ってきたのだ。

「ねえ、君毎日ここにいるよね。」どうやら僕に話しかけてるらしい。「・・・」僕は無視した。どうせ僕は変わっているから嫌われると思ったからだ。「私、いつも君に救われてたんだよ。」え?この女は何を言っているのか?「どういうこと?」僕はたまらず聞いてしまった。「私もいじめられてたの。だからいじめられてても生きて立ち向かう君の姿に尊敬してたの。」何を言っているんだろう。僕はこの子のことを知っている?この子と会ったことがある?僕は訳がわからなかった。・・・「ねえ、君誰?」

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ぼくは誰? ちい @maplerarara

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