書の船出…網に掛かるは。
- ★★★ Excellent!!!
恰も、浮世絵のような昔話から
いかにも恐ろしげな怪談、
西洋の絵画のような寓話、そして
流れる様な見事な手際によって成される
世の東西を問わない創世記。
どれも不思議と怪奇とに満ちていて、
それでいて美しく底光る。
奇妙な物語ばかりを集めた短編集だが、
作者の確かな筆致により、更に色濃く
心に残って行く。
こういう作品が多くあると良いし、
多くの人達に読まれ学ばれるのが良いと
熟く思わされる作品集。
品格とユーモアが同居する。
物語を愛する者であれば、是非とも
お手に取られることを。