第2話 案山子系ギャル女子

 私の名前は真美可(まみか)、高校2年の女子高生!

まぁ至って普通のJKである訳でして...

 私の住んでる場所は、周りが田んぼだらけの田舎町。都会に行きたいといつも思ってます!


 そんなある日、今日も授業が終わり、いつも帰る際に使っている田んぼの道に差しかかった時、あるものが視界に入りました。

 ある案山子に違和感が...

「あれ...あのカカシ...なんか可愛い...」

率直にそう思いました。

 そのカカシは、茶髪のロングヘアで毛先が少しカールがかり、顔つきも若い女の子の顔つき、メイクまでしてあり、服装も少し派手さと露出度の高い服装がしてありました。まさにギャルのカカシがそこにいたんです。


 私は、そのカカシを凝視していると、

「よっ!」

と突然可愛らしい女の子の声が...

見回していると...

「前にいんじゃん!」

そう、このギャルのカカシが話している。

「あなたが...話している...の?」思わず聞きました。


「決まってんじゃん!てゆーかさ、いつもこの道通ってんね!カワイイからさ、なんか気になってたんだよねー!あっ!名前なんてゆーの?」


「えっ...えっと...真美可です...」


「あたしは美咲(みさき)!気軽に「みぃ」って呼んでいーよ!」


「じゃ...み...みぃはなんで...カカシなの...?」


恐る恐る聞いてみました。するとみぃは


「なんか気づいたら、ここにいてさー!最初はビックリしたんだけどー、慣れたらいいかって思ってw

ウケるw」


 私は思わず、相手がカカシなのに思わず私は、笑っていました。


 それから、私とみぃはすっかり仲良くなりました。

 勉強の話、友達の話、恋愛の話...そして、いつも気づくと日が暮れてました。本当に楽しかったんです。


 そんなある日、私の友達の絵美が話しかけて来ました。


「ねぇ、いつもあの田んぼの道で、誰と話してんの?」


「えっ...」


「いや...前見かけた時さ、ずっと案山子と話してるからさ...」


 美咲は、私にしか見えてなかったんです...

そして、絵美は、続けて話して来ました。


 「あの辺ってさ...何十年か前は道路だったんだけど、事故が多発したから、新しい道路作って、その道路は潰して、田んぼにしたんだって!その事故で死んだ霊が、案山子に乗り移って話してんじゃない?」


 絵美は笑いながら話してましたが、私は全く笑えませんでした。

 そして、調べると確かに10年前にある高校のバスが事故を起こし、亡くなっていました。

そこに..被害者の名前があって...そこに...

 私は、複雑な気持ちでした。友達になったみぃを霊と信じたくない自分がいて...


その帰り道、私はみぃに会いに行きました。

そして、全てを話しました...


みぃは、悲しそうな顔つきで、


「そう...なんだよね...」


一言そう悲しげに言いました。


みぃは全て話してくれました。


「みぃがこの辺りを彷徨ってる時に、このカカシをみつけんだ...誰かに気づいて欲しくて...話したくて...だからこのカカシに乗り移ったの...


でも、誰も気づいてくれない...

そんな時に、お母さんが私の弔うためにここを訪れたの。お母さんは、見えたの!嬉しかった...


お母さんは、願い通りに少しでも気づいて貰えるように、気づいて貰えた時に、話やすくなるようにって、服装やメイクまで気遣ってくれた...


この田んぼの持ち主の人にも、不審に思われながらも、必死に説得して、こんな派手なカカシを置いて貰えるようにもしてもらった...


そして、後は気づいてくれて、気の合う子と色んな話をして、盛り上がりたかったこと...

最後の友達を探したかったこと...

そんな時、まみかが来てくれたの...!」


私は気づかぬ内に、涙を流していました。


「ありがとね。まみか...これでもう悔いはないよ!ほんとに楽しかった!」


「ううん!私も楽しかった!」


「てゆーかさ、泣きすぎじゃね?マジウケるんだけどw」


「いいじゃん!ほんとに悲しいんだからさ!」


互いに笑いあうと、みぃは最後に尋ねてきた。


「みぃ達、もう友達だよね?」


「もちろん!あたりまえじゃん!」


 みぃは、最後に本当に嬉しそうな表情を見せ、成仏していきました。

カカシは、可愛らしい格好をした案山子に戻ってました。


私は、空を見上げ、空に向かってこう言いました。


「また、どこかで会おうね。」


時刻はもう夕暮れ時、綺麗な夕焼けが空に広がっていました。

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短編集不可思議な ミステリーサークル @471-456

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