エピローグ
GM : では、ゴーシュの一撃は、王女の、アンデッドの肉体を粉々にした。
ダリア : 「い、今のなんです!?」
ゴーシュ : 「俺のモブ面なんかみてもしょーがねーのにな」(かぱり)
ダリア : あ、兜外してあげるんですね、優しい。
GM/王女 : 「うふ、うふふ、ほら、やっぱり素敵な顔」
ゴーシュ : 「俺よりアシュレイになんかいってやれよ」
マール : 「……」
GM/王女 : 「あの子が見つけた新しい仲間ですもの。みんな、すてき……」
GM : 「お、おうじょさまー!」たまらずアシュレイが駆け寄る。「ごめんなさい、ごめんなさい……!」
エリカ : 「……」(血を拭き取って鞘にしまう)
GM : 「ボクはなんて……、罪深いことを……。ただ、あなたを愛していただけなのに」
ゴーシュ : 「まさか、アシュレイがこの子をアンデッドにしたとかねーよな……?」
GM/王女 : 「ちがうわ……わたくしたちは勝手に、ここに囚われてた。外の……」寂しげに微笑みながら、「激動の世界が、恐ろしくて……」
ゴーシュ : 「なるほどねえ」
ダリア : 「変化は、時に恐ろしいものですから、ね……」
エリカ : 「……」
GM : 王女はそっと、光るジェネレーターの方を指差します。奥にある巨大な、パイプオルガンに似た魔導機の足元に、薄汚く朽ち果てた青いローブが落ちています。
マール : ローブ?
ダリア : もしかして、かつてのアシュレイちゃんが着ていたローブ……?
マール : 魔法使いのローブか。
GM/王女 : 「前のこの子は、わたくしたちの魂を慰めるために、ずっとここで祈ってくれてた」
GM : 「ボクは……、何も出来なかった……。国は滅んで、王女様も死なせて……ここで1人で祈ることしか」
ダリア : 「それでも。それでも、誰かが忘れずに祈ってくれたことは、救いになることがあるんですよ」 そっとアシュレイちゃんの頭をなでて、「祈ることしかできないことは、誰にだってあります。そのために祈りの言葉はあります。何も出来ないけれど、心はそこにある。それを示すためにも」
ゴーシュ : 「実際この子も覚えてるみてーだし、無駄ってこたねーんじゃねえの」
マール : (魔剣にとらわれたと思っていた、けど、実際は……)
GM/王女 : 「そうね。だからわたくし、もう、いかなくちゃ……」
エリカ : 「……」
ゴーシュ : 「まあ、元気でな」
GM : 王女の身体が、サラサラと崩れ、魂が天上へと還ろうとしている。
マール : 「アシュレイ、最後だ。何か告げてやんな」
ダリア : 「さようなら、王女様。あなたに、あなたの信じる神の導きがありますことを。微力ながら、キルヒア様の信徒として祈りと助力を捧げます」
GM/アシュレイ : 「……さようなら、ボクだけの、王女様。ボクだけの、最愛の人」
GM/王女 : 「わたくしもです。貴女をお慕いしておりましたわ。かわいいひと」
GM : そういって、王女たちの魂は、天上へと還っていった。
マール : (これで、姫の体は解放された。そして、アシュレイの心も、きっと……)
ダリア : 「……どうか、あなた方の心に平穏と安らぎを。 そして願わくば……輪廻の先に、いつかまた、アシュレイちゃんとあなた方が出会える未来を」
エリカ : (ギュッと月形のペンダントを握りしめて祈る)
マール : ぐっ、と握りこぶしを固め、小さく祈る。それから、明るく言う。 「さて、これで出れるかな、ここから」
GM : アシュレイは袖で乱暴に涙を拭い去ると、 「うん。魔剣がねジェネレーターに入ってるの。取り外すことができれば、ここからの脱出できるよ」
ゴーシュ : それは普通に筋力で引っこ抜くとかそういう話ですかね? それならゴーシュがやっちゃいますが。
GM : 宣言したらはずれます。 と、その前に、ジェネレーターについては、「見識判定」で目標値15に成功すると、この魔導機の仕組みがわかります。
ダリア : 15は中々きついですね(汗)
エリカ : (ころころ) 7。
ダリア : (ころころ) 14。いちたりない。
マール : (ころころ)ピンゾロ。て、ここでかい!
GM/アシュレイ : (ころころ)ピンゾロ。
ゴーシュ : (ころころ) 9。まあゴーシュにはわからない。
GM : 全員なんもわからなかった。かろうじて、この魔剣と魔導機で、ここの人物を外に出さないように閉じ込めてたのかな~って、なる。
マール : ううう 。
ダリア : かなすぃ。
エリカ : かなしぃ。
ゴーシュ : 「とりあえず引っこ抜くかー」
GM : では、魔剣を引っこ抜きますか?
ゴーシュ : そうですね
GM : では、魔剣は抵抗なく取り出せます。 しかし、それは経年劣化が激しく、空気に触れたところからボロボロと崩れていく。剣のかけら、5個が手元に残りました。
ダリア : ということは、再利用できない、このハウスには戻って来れない……?
マール : 入ること、はできなさそう。
GM : そうですね、戻れません。
ダリア : 役目を終えた、ということですね……。
エリカ : ふむ。
ゴーシュ : しゃーなし。
GM : 売値はぐっと落ちることになりますが、逆に言えば、これを利用しての悪行はできなくなりました。
ダリア : 誰か排除したい人を閉じ込めたり、とかができなくなった、と。
GM : いえすいえす。 そして、魔導機からこんなアナウンスが。
GM/ブリキのおうち : 『非常事態発生。10分後に主電源が落ちます。総員、10分以内に退避してください』
ダリア : はい?(笑)
マール : でんげん……、あ! 正規の手順じゃないから、ぶちっか。
ダリア : その退避の方法を知りたかったのですがっ!(笑)
ゴーシュ : 「とりあえず玄関じゃね?」
GM/アシュレイ : 「いけない! ここから玄関まで走るよ!」
マール : 「そうだ。出口はあれしかないっしょ」
ゴーシュ : 「やっぱり」
エリカ : 「……!」コクンと頷いて玄関に走る!
ダリア : 「わかりました!」と走り出そうとして、せめて彼女らの形見になるものがないか、一瞬だけ見回します。
GM : OK! 王家の紋章の入った指輪を見つけていい!
マール : よかった!
GM : 慎ましいが品のある一品です!
ダリア : では、改めて埋葬するためにもそれを掴んで、皆の後を追って走り出します!
マール : 埋葬、でなくても、形見にもなるでしょう。
ダリア : アシュレイちゃんに渡してもいいと思いますしね。
エリカ : そうしましょうか。
GM : そういえば、玄関に積んでいたお宝はもちろん持っていくよね?
マール : ええ。
ダリア : かなりしんどくなりそうな量がありましたが……、ゴーシュさんに頑張ってもらいましょうか(笑)
エリカ : 持っていきましょう。
ゴーシュ : まあ長距離でもないしもってきましょう。
GM : アシュレイも、両手いっぱいに肖像画とミュージックボックスを抱えて行きます。
ダリア : 純粋に、歴史的資料としても価値がありますしね。
ダリア : 大事ですよね、当時の、彼女と聞いた音楽。
マール : ええ。学術的にも、かつ、思い出としても。
GM : では皆さま全員、無事に、宿屋の一人部屋に戻ってきました。
ゴーシュ : 「やれやれ。無事に帰れたか」
マール : 「やれやれ、ベッドは持って帰って来たかったな」そういいながら、部屋の中のベッドをやさしく触る。
エリカ : 「……戻れた」
ダリア : 「……そうですね、私達の世界に」と言いながら、アシュレイちゃんの頭を撫でます。
GM/アシュレイ : 「もどって、きた?」
ダリア : 「ええ、戻ってきました。私達の、いつもに」
アシュレイは、まるで夢から覚めたかのようにポカンとています。
でも、あの冒険は夢ではないのです。
なぜなら、幼い女の子の手にはブカブカの、でも誂えたような青い指輪が、控えめに輝いていたのですから。
GM : 以上、「ブリキのおうち」完結です。お疲れさまでしたー!!
マール : はい、おつかれさまでした。
ダリア : お疲れ様でした!
エリカ : お疲れ様でした。
ゴーシュ : おつかれさまでしたー!
ソード・ワールド2.5リプレイ「ブリキのおうち」 ましろ @mashiro1920
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