ゴールていったいなんなんだろう?そこで終わりなの?

本田 そう

第1話

 どんな物にでもゴールはある。


 受験、就職に合格、スポーツなら目標に届いた事、人生なら事を成し遂げた事。


 それで満足していた人がほとんどだろう……


 俺はそう思う。

 

 だから俺は今から彼女に告白をしょうと、最後の告白をしょうと。

 


 『これが最後……今日の卒業を逃したら最後だ』



 俺は心の中でそう叫ぶとある決心も決めていた


 『これでダメなら諦めよう』と。




 ◇◇◇




 彼に呼ばれた。

 何十回目なんだろう彼に告白をされるのは……

 最初は断っていた、なんとなく。


 「なんとなく」て?


 そうなんとなく。

 彼に対しては、好きでも嫌いでもなかったから。


 『なんで?好きでも嫌いでもないなら付き合えばいいじゃないの』


 心の中のもう一人の私が話しかける。


 けど……


 もし…もし、好きでもない彼と付き合いだしたら、それで嫌いになって別れたら彼が傷つく…私も傷つく…。


 『ふ〜ん、つまりは私は恋に臆病なんだ。彼が傷つくのが、いえ自分自身が傷つくのが』


 違う…違うわ!私は…私は………


 『違う、ねえ〜。だったら今の私の彼に対しての気持ちはどうなの?』


 えっ?…今の気持ち…


 『そう、今の気持ち。何十回も彼から告白されて気持ちが彼に揺らいでいるでしょう』



 ……私の…私の心が彼に揺らいでいる……



 私はそう思いながら、彼に呼ばれた場所へと向かった。




 ◇◇◇



 俺は彼女に指定した場所へと急いだ。

 雨上がりでぬかるんだ道を急いで走る。

 彼女に渡す手紙と共に。

 が、



 「ドン!」



  横から出で来た人とぶつかってしまっ

た。


 お互いに謝るとまた走ろうとした時、ポケットに入れた手紙がない事に気づき、地面を見ると、水溜りに手紙が泥水をすすっていた。



 「手紙が……」



 悲観そうに手紙を拾い上げる俺は



 「彼女を…彼女をまたせちゃダメだ!」



 俺は手を拾い上げると濡れている手紙をポケットに入れると再び走り出した。


 そして彼女の待つ場所へと……




 ◇◇◇



 あまり目立たない、人があまりいない桜が満開に咲く桜の下で私は彼を待っていた


 何で私は彼を待つのだろう……

 何で私はここにいるのだろう……



 『まだわからないの?私は!』


 えっ?わからないって?


 そう思っていた時、彼が息を切らしながら走って来たのが見えた。



 ◇◇◇



 「ハア、ハア、ハア、ご、ごめん、学校の友達に捕まっていて……」


 「ううん、いいの。私も……」


 「あの…あの…俺は君が好きだ!俺と付き合って欲しい!」


 俺は手紙を彼女に渡した。


 「うん、ありがとう…」


 私は手紙を受け取った。泥水をすすった手紙を見て、本当に急いできたんだと…


 「ありがとう…けど…私は…」



 俺は彼女のその言葉を聞いた時、「またか」と感じ、俺はこれ以上彼女の迷う言葉がないように…これが最後と決めていたから…


 「そうか……」


 そう言うと、俺は彼女に背を向けた



 『私は本当に彼の事が嫌いなの?だったら何でここに来たの?何十回も告白をしてきた彼を……私の本当の気持ちは!』


 私の本当の気持ちは……


 「あの…あの…私は…私は…」



 俺は彼女の言葉に振り向くと、彼女が泣いているのに驚いた。そして俺は何故だかわからないが自然と彼女に一歩、また一歩と近づくと彼女の前に立ち、ハンカチで彼女の涙を拭った時……


 「ガバっ!」


 彼女が俺を抱きしめて来た



 「私は…私は…本当は私は…」



 俺はそんな彼女を見た時、好きの感情から愛おしい感情へと……そして、


 「俺は彼女あなたが好きです…いや、愛おしいです…俺と、俺と!付き合って下さい!」


 「!……うん……うん…私も貴方が好き……よろしくお願いします」



 俺は彼女をギュッと抱きしめていた。


 そしてこうも思っていた……そして彼女も……



 青春のゴールてこの時なのかなぁ

 そうね、でも…

 でも?

 うん、今はゴールでも私と貴方のスタートラインでもあるのよ

 あっ!そうだね



 「「そう!いまがゴールでも私と俺とのスタートライン!この先のまだ見ぬゴールを二人で目指して!」」

 



  


 

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ゴールていったいなんなんだろう?そこで終わりなの? 本田 そう @Hiro7233

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