4日目 異文化コミニケーション 後編

 彼女は恍惚とした表情を浮かべ僕に覆いかぶさる。体の隅々まで舐めまわすかのように僕を眺めると、口の端をぺろりと舐めた。

 土で固められた床はこんなにも冷たいのに、体の内側は炙られているかのように熱い。

 僕の視線が彼女の顔から、その胸元――二つの乳房へと移る。

 隆起した乳首は実った果物のようで、思わず手を伸ばさずにいられなくなる。

 そうしなかったのはその奥。彼女の秘所に変化があったからだ。

「なに…………な、何なの」

 彼女が頬を赤らめる。

 気づいてしまいましたね。そんなに見ないでください。

 そう言わんとばかりに視線を逸らす。

 陰茎、チ○コ、他の言い方は割愛する。けれどまさしく男性のそれが、先ほどまで欠片の存在もなかったそれは、確実に少女の体から生えていた。

「や……嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だやだやだヤダヤダッッ!」

 何があったのか、何でこんなことになったのか、皆目見当がつかない。

 しかしは容易に想像がつく。

 あの棒で僕の中がかき回される。

 呼吸は早くなる一方なのに、酸素は全然肺を満たさない。

 映画のクライマックスシーンの直前のような緊張感の波が体にはしる。

 自分自身のことのようなのに、自分を客観的に見ているような、そんな不思議な感覚。

 しかし、これは紛れもなく今ここで自分の身に起こっている事実だ。

「あっ……あぁぁぁあああぁっッ!」

 乳首を咥えられた。

 口でついばまれ、唾液とともに舌でころがされる。

 乳輪に沿って舐めては乳首を摘まみ上げるように、何度も何度も吸い上げられる。

 股間にきゅっと力が入る。上半身の蕩けるような快楽の波が僕の下半身にまで悲鳴を上げさせる。

 もう片方の乳首が指で摘ままれる。

 こねて、さすって、なでて、はじいて、つまんで、おされて、またこねられる。

 今ある形を楽しむように、じっくりゆっくり嬲られていく。

「っッ……はぁッ……っぁあー……」

 呼吸が苦しい。

 味わったことが無い快楽が、経験したことのない刺激が何重にも重なって体を波打つ。

 時間が永遠のようにも一瞬のようにも感じる。

 僕だって性欲はある。これまでの人生、少なからずそれを発散したこともあった。

 自分で解消してきたものとは異なる刺激。他人の手が、口が、僕の体を侵していく。

「――――」

 耳元で彼女が囁くが、その音は僕の脳には届かない。

 可愛いよとか、そんな気の利いたことでも言ってくれたのだろうか。

 彼女はもじもじと、その下半身をくねらす。

 ――違う、可愛いよなんてそんな陳腐なセリフじゃない。

 そういうことだ。いよいよ来てしまうのだ。

 そそり立つそれを、僕の中に迎える宣言をしたのだ。

「……やだ……待って、待って」

 待てない、だめ。

 蕩けた目で、口元に笑みを浮かべて、そんなお願いなんて聞かないとばかりに、腰は打ち付けられた。

「――――ひっ」

 僕の中を異物がかき分けていく。

 もっと堪えるかと思ったのに、なんの抵抗もなしにするりと受け入れる。

 感極まった顔で、彼女は僕を見やる。

 そして顔を近づけると、頬に数回キスをした。

「――――」

「だめ……待って、うご……かさないでっ」

 拒絶の言葉は彼女の耳には届かない。

 僕の中に蠢くモノの存在感を感じる。引き抜かれては、奥に届く。

 寄せては引く波のようになんて生易しいものではない。

 押し寄せる快楽の本流、引き際は切なさと愛おしさで頭がどうにかなりそうになる。 

 とん、とん、とん。と、繰り返しそれが行われる。

 足の付け根が、下の口が、びしょびしょに濡れていくのが自分でも分かる。

「――――」

「…………いい……よっ……いいよ、いいっ! いいっッ!」

 僕の足が彼女の体に絡まる。

 彼女の僕を抱える手に力が入る。

 腰が、より一層力強く僕に打ち付けられる。

 とん、とん、とん、とん。

 ――ずん、ずん、ずんっ、ずんっ。

 聞こえない彼女の声が、大きく息を吐きだすのを感じる。

 何回か強く腰を打ち付けられた後に、僕の頭は真っ白になった。

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異世界探検日記 びば @yomogiviva

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