希望がかなわず傷ついている人に、暖かな恋のメッセージを

 小学校からの仲良し四人組と同じ学校に行けず、不本意な高校に通うことになってしまった主人公。
 学校にいても「ここは私の居場所じゃない」という孤独感に苦しみ、悲しんでいるところに声をかけてくれたのは、同級生の男子でした。

 希望がかなわず傷ついていたところから、ふとしたきっかけで心を通わせるようになる過程の描き方が素敵です。柔らかな筆致で描かれる、主人公の内面の痛みと、彼に救われた暖かさを感じて、なんとも言えないここちよい読後感に包まれます。

 今、うまく行かないことがあって苦しんでいる人も、きっと新しい希望は生まれてくる。そんなメッセージを感じました。