みんなでひとり

小路町朱乃が市立絵空高校へ入学を決めたのは、この高校が一番自宅から近いから。通学時間が短ければ、その分家で気楽に過ごせる――そんな動機で受験を頑張り見事合格を勝ち取った彼女は、入学後に気づく。新たな学び舎には必ず部活動をしなければならないという、彼女にとっては地獄でしかない掟があることに。ならばいっそ、と作ろうとした帰宅部は早々に却下され、追い詰められた朱乃は苦し紛れにある部を作り出した。その名も、ソロ部。かくして部員探しをすることになった朱乃は、程なく、とある同級生の秘密を知ることになる。