「テンプレ」と呼ばれるものについてちょこっと考えてみた

中村 天人

音楽のソロ活動と小説の特徴を比較してみた

 私は趣味で音楽活動をしています。


 そして時々、小説を書くことと音楽のソロ活動は似ているな、と感じることがあるんです。

 なので、今日は音楽ソロ活動の目線から見た小説の世界について書いて行こうと思います。


 と言っても、私の音楽は一部の評判は良いものの、キャッチコピーにもある通り一般受けがすこぶる悪いので、これから書くことは当てはまらない人の方が多いかもしれません。

 それでも良ければご覧くださいませ。




「音楽のソロ活動と、小説を書くことの共通点は何だろう」


 今回のテーマを見て、改めて考えてみました。


 ①好きにアイディアを表現できるので個性が強く反映される

 ②客観的な良し悪しの判断が難しい

 ③技術をごまかせない


 と思ったんですけど、①に関しては「あえて個性を殺している場合もあるのかも」と思いました。これはあとでもう一度触れます。



 ②に関しては、困ったことがある作家さんも多いのではないでしょうか。


 自分は良いと思って書いていても、読者さんから見たら「伝わらない」「テンポが悪い」「起伏が無い」と思われているかも……。

 ソロで書いていると、そんな心配がフツフツと沸いてきます。


 そんなときに思い出すのはコレ。

 小説を書き始める前に、ちょっとだけ小説の書き方を勉強した時の話です。



「複数の編集者さんが『これは売れるだろう』と思っていたものが売れなかった」



 プロの目で見ても分からないのか……。

 エンターテイメントの世界はなかなか読めないんだなぁと感じたのを思い出します。だから、ダメかも、と思ったものが意外と当たる可能性もある。


 そしてもう一つ、某アーティストさんの講演での話。



「技術があったり作品が良いだけでは売れない。時代とぴったり歯車があったものがヒットするから、『え? こんな曲?』と思わず、私はどんな曲でも歌うようにしている」



「これは売れないだろう」と思った曲が、たまたま時代の流れに合って大ヒットしたらしいです。実際の経験談だったので、すごく納得した記憶があります。


 小説を書いていて自信を無くすこともありますが、自分が書きたい作品を書くことが一番なんだなって思わせてくれた話だったので、ここでご紹介しました。




 ③の技術に関してですけど、本当にいつも悩んでます。


 特に表現力。

 本は沢山読んできたのですが、楽しみながら読んでるだけじゃ技術は身につかないんですよね。

 なので私は、「あの作家さんはどう表現しているんだろう」と、本を開きつつ書いていたりします。


 しかし、あまり参考にし過ぎても沈没するので難しい。

「こうあるべき」と言うのが強すぎるのもどうかと思うし。


 みなさんはどうやって技術を身に着けているんでしょうか。

 良かったら教えてくださいませ。




 さて、①個性が強く反映される について、もう一度触れたいと思います。


 音楽も小説も、一人で作るものは混じりけが無いので自分の感性が強く反映されるはず。

 なので、それぞれ個性がありますし、個性を売りにします。


 しかし、カクヨムコンの結果を見て驚いたんですが、ラノベ(になるのかな)の世界って似たようなタイトルが多いんですね。


 チート持ちの悪役令嬢が最強すぎてスローライフを送りたいと言ってももう遅い。


 詰め合わせるとこんな感じかな。


 面白いですよね。

 テンプレに関しては賛否両論があるかもしれませんが。

 同じようなタイトルが好まれるのは、ラノベ特有の文化のような気がします。


 読んだら中身は個性があふれてるんだと思いますけど、タイトルだけ見たら違いがそれほどわからない。

 しかし、ユーザーにしたらそれが逆に良いんですよね、きっと。


 いわゆるテンプレと呼ばれるものですが、私は星〇源さんの「うちで踊ろう」と同じ認識で見てるんですよ。(そういえばあれもソロ活動ですね)


 外出自粛の期間に、たくさんの人であの曲をアレンジしたじゃないですか。

 すごいですよね。

 一人の人が世の中を動かすんですよ。


 始点となるものがあり、それが大勢を動かしてテンプレと呼ばれる。

 流行にはそんな感じを受けています。


 そこには必ず比較が生じるでしょうが、二番煎じとならず読者に「面白い」と思わせられるならすごい。

 それはテンプレじゃなく、もうオリジナルと言いいたい。


 次のテンプレは何が来るのか、その始点となる作品はどれなのか。

 そう考えるとワクワクしてきます。


 もしかしたら、カクヨムユーザーの中から次のテンプレを生み出す方がいるかもしれませんね。

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