2.擬似デート

今朝の上条宅は普段より少し騒がしかった。

オティヌスの事、インデックスが上条が裸のオティヌスと寝てた事を大声で問い詰めた事、インデックスが上条の頭にギチギチと鳴り響く歯を食い込ませ

上条がお決まりの

「不幸だぁーーーー!!!」をかました事、

コイツら、今日も朝から元気だな。


「ところで、オティヌス、お前服はどうする?」

そう、オティヌスの服はこの家には無いのだ。そのため、オティヌスは上条のパーカーを羽織るという格好をしていた

「ふむ。魔神の99%の力が失われた今となってはあの服を着る必要はないのだが......

普通の"女の子"の服を着てみるのもアリだな」

とオティヌスは答えたものの内心、いつもの服とのギャップ萌えを狙っていた。

「じゃあ、後で買いに行くか。インデックス、少しの間お留守番しててもらっていいか?」

「とうま、美味しいものをたくさん買ってくるって約束するんだよ。そうじゃなきゃとうまの頭を噛み砕くかも!」

「わかったわかった。じゃあオティヌス、着替えは俺の服を勝手に組み合わせて着てくれ。少しサイズが大きいかも知れないけど許して!」

「わかった、人間。それより私はそういう店を良く知らないからエスコートしてくれ」


こうして、擬似デートは始まった。




「オティヌス、ここへ行ってみようか?」

「ああ、ところで何故私は注目を浴びるんだ?」

それもそのはず、毛先までまるで金糸のようで、少しウェーブがかかった髪、右目は眼帯をしているがそれでもわかるほどの整った顔立ち、スレンダーだが出る所は出ている体、そう、一言で言えばオティヌスは綺麗なのだ。上条も体が元のサイズに戻った事で改めてその容姿端麗さを思い知った。

それを包み隠さず、

「それはオティヌスが綺麗だからだろ。綺麗な人がいたら見るに決まってるじゃ無いか?」

まったくこの男は...

オティヌスは上条の天然が他の女に向く際はいつもこう感じていた。

だかそれが自分の場合、

こうも高揚するものなのか。と自分の気持ちに驚いていた。


そして2人は店に入り、約1時間後に店を出て帰路に着いた。


家に着きオティヌスはインデックスが出かけている事を確かめた後、サイズがあっているかを確認するという名目で今日買った服のファッションショーを開いた。もちろん上条に見せて、落とすためのものなのだが。

「ど、どうだ」

顔を赤らめてオティヌスは自分の服への感想を聞く。

「あぁ!すげー似合ってるよ!オティヌスは元がいいから何着ても似合うな!」

褒めてるようにも感想を伝える事を放棄しているようにも捉えられる発言。

だが、恋をする乙女には関係ない。

オティヌスは"理解者"を発見した時と同じくらいの喜びを感じた。

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永遠の中の刹那にラピア色にも勝る思い出を 霧査辟 怜緒 @kumachin0310

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