皆もソロモン、ゲットじゃぞぉ。(オイバカ止めろ!)
黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)
第1話
古の魔法使いの王、ソロモン。彼は異界の存在、悪魔と共に国を治めていた。
彼は異界の彼らと語り合い、触れあい、喧嘩し合い、理解し合い、彼らの叡智を託された。
『人間と我々が真に解り合えた時、この世に平安と栄光は訪れる。』
ソロモン王はその叡智と共に金色の指輪を託され、そうして、寿命を迎えた。(ソロモン王の叡智片章より引用)
『『人間と彼らが真に解り合えた時、この世に平安と栄光は訪れる。』私はそう聞いた。そこで、私は次の王を彼らと真に絆の盟約を結んだものとする事を決めた。』
晩年のソロモン王のその言葉は、人々に騒乱を齎した。
世界の人々にソロモン王の力の断片が託され、彼にしか出来なかった異界の存在との契約が誰にでも出来るようになった。
人々は異界の存在と契約し、近しい友人として彼らとの新たな世界を拓いて行った。
次の王は未だ決まっていない。
(ソロモン王国全史より引用)
そうして月日は過ぎて150年過ぎて………現在。
未だ王は居らず、人々は彼らとの日々を変わらず過ごしていた。
が、全く同じではない。変わった事もある。
ソロモンによってもたらされた友人を『ソロモンの悪魔』略して『ソロモン』と近年は呼び、悪魔と人々は絆を深める内にとある娯楽を見つけ出した。
結論も見つけた。
『ソロモンバトル』
契約した悪魔と研鑽を重ね、己が権能と巧みな戦略で互いの優劣を決める、通称『ソロモンバトル』
『人間と我々が真に解り合えた時、この世に平安と栄光は訪れる。』
彼の王の言葉を聞いた人々は悪魔と人の優劣をその競技にて決める事とした。
今、ソロモンバトルによって次の王は決められることとなった。
「さぁ、始まりました!ホクトー地区ソロモンバトル大会も残すところあと1試合!
数々の人と悪魔のドラマを越えて、ここに来たる!
幾千の猛者を越えて来る4人は、こちらだぁ!」
競技場にアナウンスが鳴り響き、舞台に上がるものが4人。
人と悪魔のペアが2つ。
今日、ホクト―地方のソロモンバトルのトップが決まる。
「選手の紹介!
先ず赤いポンチョの少女……メリーゼ!
悪魔はアモン!」
赤いポンチョの少女、そして梟頭の半裸の大男が紹介に応えて観客に手を振る。
『もう一人!
侍スタイルの男……ロクロー!
悪魔は、バティン!』
腰に刀を携えた細身の男と青白い馬に騎乗した人が全方位に礼儀正しく礼をする。
「さぁ、4名とも、準備は宜しいですか?」
「うん、アモンさん、頑張ろう!」「あぁ、メリーゼ。全力だ!」
「参ろうか。バティン殿。」「えぇ、ご期待に応えて見せましょう。」
両ペアが距離を取る……同時に。
『ソロモンバトル!開始ぃ!』
アナウンスが最高潮となり、会場が湧いた。
「アモンさん、『炎海』!」「あぁ!」
フクロウの口が鳥の
しかも、その火炎の規模が凶悪だ。
競技場の一面が炎で染まる程の火炎。
その熱気は観客を余波で消炭にしてもおかしくない。
「観客の皆様、競技場と観客席はソロモン王の魔術によって守られております。どうぞご安心を!」
アナウンスがざわつき始めた観客を宥める。
「アモンさんは炎の悪魔。炎の力、全開です!」
得意顔で炎の中、涼しい顔をしてそう言う。
対するロクロー&バティンは慌てていない。
「バディン殿、石を。」「承知いたしました。」
バティンが騎乗したまま炎に手をかざす。
すると、地面から埋まっていたとは思えない様な銀色の巨壁が飛び出して、炎を遮る。
「バディン殿は石、即ち鉱物を操る事が出来る。
炎を以て倒そうとするのであれば、耐熱に優れた金属、タングステンで防げる!」
「恐れ入ります。」
「轟炎と輝く金属で彩られた競技場の中には闘志が満ち溢れている!
が、しかしここで残念なお知らせです。
予選の時間延長でこの後6時から、ニュースを開始します」
ビッ!
画面がいきなり切り替わり、アナウンサーと殺風景なスタジオが液晶に映し出された。
PS:時間が足りませんでした。御免なさい。
皆もソロモン、ゲットじゃぞぉ。(オイバカ止めろ!) 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika
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