第二次世界大戦末期、長崎と広島に落とされた原爆。
その悲劇を繰り返さぬよう始まった反核運動の最中に生まれた歌。
それが『青い空は』なのです。
お爺ちゃんの戦争体験記に交えて流れ続ける名曲はどこまでも悲しく重いものでした。どこかユーモラスな長崎弁をもってしても……いやだからこそ余計に際立って、当時の悲劇とそれが日本に刻んだ爪痕がどれほどに深いものか生々しく伝わってきました。
どんなに祈った所で、世界から戦争はなくなったりしない。
だからといって諦めてはならない。かといって平和の為に暴力をふるってもならない。
偽物の正義と「決めつけられた悪」がはびこる現実に、果たして本当の平和など有り得るのだろうか? その答えとしてお爺ちゃんが残したものは美しい歌声だけでした。
当時の仲間を忘れるわけがない。苦しい時代を生き抜いた仲間だもの。
その台詞が美しすぎて思わず泣いてしまいました。
時は流れてコロナ禍の世界に生きる我々は。
いつかこの台詞を笑顔で言える日がくるのでしょうか?
原爆の歴史を伝えながらもショッキングな描写は抑え目なので、同じテーマの映画に付きまとうような後味の悪さもありませんでした。
平和と戦争について真実を学びたい貴方へ、おススメです!