単独犯

ぎざ

独白

 暗い部屋にテーブルが一つ。簡素な部屋だ。

 テーブルライトが一人の男の顔を照らす。


「川田ぁっ! ……お前が、やったんだな?」


 男は首を振って、叫んだ。


「刑事さん、あいつは関係ない! 俺が全部一人でやったんだ!!」


「全部って言ったって……、池袋の情報屋。アイツをたぶらかしたのもお前か?」


「そ、そうだ。アイツが好きなゲームの発売日に、ゲーム屋に並ぶことを知っていたから、アイツのポストにゲームの発売日のビラを入れて、誘い出したんだ」


「ビラ配りまでお前がやっていたのか」


「誰も関係ねぇ! 俺一人でやったんだ!!」


「ビラの案内がとても丁寧だった。ポップの絵がゲームの楽しさをよく表していたって、あいつお前のことを褒めてたぞ」


「へへっ。そんなに褒めるなよ」


「……なら、横浜のヤクザの事務所を荒らしたのもお前だってのか?」


「そうだ……。スーパーに売っていた手持ち花火を買い占めて、火薬をばらして偽物の銃弾にして、拳銃に詰めたんだ……。インターネットで調べた知識で、YouTubeでも調べて、全部自分でやったんだ。他の誰も関係ねぇ……!!」


「殺伐とした抗争が和やかな花火大会になったって、ニュースで話題になっていたが……、まさかお前がやったとはな」



「全部俺一人で考えて、実行したんだ!」


「まさか、渋谷のデザイナー襲撃事件もお前が……?」


「あぁ。あいつの着るはずだった服のポケット全てに穴を空けて、ポケットに入るであろう小銭を全て道に落としてやったのさ。あいつは電子マネーに移行していたから、未遂だったけどな……」


「なんて手の込んだ未遂事件なんだ……」


 男は食い気味に言葉を続ける。


「刑事さん、新宿の病院の事件だって、耳に入ってるんだろ。それも俺の仕業だぜ……?」


「な、あれもまさかお前一人の仕業だっていうのか……!?」


「そうだ……。病院の貸し出し用のスリッパを、全て卓球のラケットに変えてやったのさ……」


「卓球のラケットの代わりにスリッパを使用しているのは見たことがあるが、スリッパを卓球のラケットで代用するのはさすがに無理じゃないか?」


「無理だろうとなんだろうと、オレがやったことに間違いはない! 早く逮捕してくれ!!」


 刑事は、次の言葉を溜めるようにして、深呼吸をしてから続けた。

「まだ……、白状していないことがあるんじゃないのか?」


「何を言っているんだ! すべて、すべて話した……」


「誰かかばっているんじゃないかって聞いているんだよ」


 男は目をつぶった。

 何か邪な、隠したいことがある、ということは明白だった。


「全部自分がひとりでやったんだ! 嘘じゃない! 俺の目を見てくれれば分かるはずだ! なぁ! そうだろ?」


「真由美という名に……、聞き覚えはないか?」


「!?」

 男が見開いた目に動揺が走る。


「勝一さん!」


 取り調べ室に突如第三者が入ってくる。


「なっ、真由美!? どうして!!」


「刑事さんに話を聞いて……、勝一さん、どうして全部一人でやったなんて、そんなことを……!」


「やめろ! 真由美。これ以上、何も言うな……!」


「いいえ、私はあなたにかばって欲しくて打ち明けたんじゃないの。私はあなたに許して欲しかったのよ!」


「なんだってそんな、無意味なことを……」


「ううん、無意味なことなんてこの世界には何一つ無いのよ。あなたが話してくれた言葉の一つ一つが、私を暗闇から解き放ってくれたの」


「どうなんだ、お前がやったのか? それともこの女がやったのか」


「私よ!」

「俺だ!」

「……くっ、一体どっちなんだ?」


「刑事さん、証拠が無いんだろ。なら、犯人は俺に決まりさ。自宅に証拠が山ほど、たんまりと用意してあるぜ」


 男は自分を親指で指さして、どこか誇らしげだ。


「何言ってるのよ、勝一さ……」


「真由美……。幸せになれよ。お前は、俺のムスメなんだから……!」


「え……、勝一さ……、お父さん!!」


「ええええええ、娘? そっち?」


「よくやった……。真由美。一人でできるように、なったんだな……」


「うん、私よ、やったよ。お父さんがいなくても、一人でやっていけるの、遠くで見ていてよね……」


「結局やったのはお前なのか、どっちなんだ!!」




「ありがとうございました〜」





『全部自分がひとりでやりました!!』


川田 勝一 ソロライブ





企画:川田 勝一


キャラクターデザイン/原画:川田 勝一


原案・脚本:川田 勝一


脚本協力:川田 勝一


グラフィック:川田 勝一


モーションデザイン:川田 勝一


モーションポートレート・グラフィック:川田 勝一



システムプランナー/進行管理:川田 勝一


システムグラフィック/ムービー:川田 勝一


服飾デザイン:川田 勝一


サブデザイン:川田 勝一


タイトルロゴデザイン:川田 勝一


台本作成:川田 勝一


構成協力:川田 勝一


プロデューサー:川田 勝一


ディレクター:川田 勝一


会場 指揮:川田 勝一


サポート:川田 勝一


音声担当:川田 勝一


収録:川田 勝一


絵コンテ・演出:川田 勝一


作画監督:川田 勝一


動画:川田 勝一


仕上げ:川田 勝一


撮影:川田 勝一


編集:川田 勝一


3DCG :川田 勝一


アクション指導:川田 勝一


プロジェクションマッピング:川田 勝一


制作進行:川田 勝一


アニメーションプロデューサー:川田 勝一


アニメーション制作:川田 勝一





-サウンドスタッフ-


音楽:川田 勝一


サウンドエフェクト:川田 勝一



オープニングテーマ

曲名「単独班」

作詞:川田 勝一

作曲:川田 勝一

編曲:川田 勝一


歌:川田 勝一


挿入歌

曲名「みんなでソロってソロ」

作詞:川田 勝一

作曲:川田 勝一

編曲:川田 勝一


歌:川田 勝一


エンディングテーマ

曲名「二人でできることは一人でもできる」

作詞:川田 勝一

作曲:川田 勝一

編曲:川田 勝一


歌:川田 勝一


レーコーディング:川田 勝一


マスタリング:川田 勝一


プロモーションネゴシエーター:川田 勝一


プロモーションマネージメント:川田 勝一


セールスプロモーション:川田 勝一


パッケージデザイン:川田 勝一


マニュアルデザイン:川田 勝一


パブリシティデザイン:川田 勝一


スペシャルサンクス:

(50音順)


川田 勝一





-出演者-


川田 勝一:川田 勝一


池袋の情報屋:川田 勝一

横浜のヤクザ:川田 勝一

渋谷のデザイナー:川田 勝一

新宿の医師:川田 勝一


大阪の漫才師:川田 勝一

名古屋の住職:川田 勝一


モブA:川田 勝一

モブB:川田 勝一

モブC:川田 勝一



刑事:川田 勝一


真由美:川田 勝一




真の黒幕 狂尾 茂:川田 勝一



 ちなみに、市販の花火を分解して、火薬を取り出す行為は犯罪です!

 良い子のみんなは真似しないでね!!






-Fin-






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単独犯 ぎざ @gizazig

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