4.解決
結局、空き巣は現場に置いていったカバンや道具、それから夏美の写真が決め手になって数日後に
実は、夏美はこの空き巣を
「まさか、本当に捜査していたなんて……」
「え、知らずに手伝ってたの?
いやいや、ちょっと待て。目的も理由も言わずに探偵だ捜査だ助手だって言われても、理解できるはずがないだろう。
「だって、なんの捜査をしているのかなんて言わなかったじゃん」
「……そうだっけ?」
夏美は「あれえ?」と言いながら首を
この先輩、探偵としてはけっこう
「そうだよ」
「そんなの、自分から
考えても分からないし、僕は話題を変えることにした。
「そういえば、なんであの家が
「え? それはちゃんと説明したでしょ?」
「あ、うん、
「だよね」
「でも、そういう家は他にもありそうなのに、あの家が狙われるってどうして分かったのかなって」
「ああ」
この人、
「仕方ないわね、今回だけよ。あの家の
「公園に落ちていたのと同じ?」
「そう。犯人は
「どうして2本だけ噛んでるの?」
「1本目のときはまだ時間が経ってないから苛々していないのよ。2本目から噛むってことはちょっとの時間でも待ちきれないせっかちってこと。それでいて、ガムの包み紙は
なるほど、そこまで読んでいたのか。これはちょっと、本当に探偵として
「さすがは天才少女探偵。すごいね」
そう、夏美は事件を
将太は
「ねえ、新聞に僕の名前がでてこなかったんだけど」
「君はなんの役にも立たなかったんだから当然よ」
そもそも話してなかったのか……。
写真を
どうせまた『助手のくせに』とか言うんだろう――あれ? そういえば、今『君』って言わなかったか?
どうやら、こっそりと『助手』から『君』に
そして、今回の仕事の
そういえば、お母さんとの思い出の花って言ってたな。
「亡くなったお母さんが好きだったんだよね」
そう言うと、夏美はカッと目を見開いたかと思うと、
「なに
すごい
「あ、あれ? だって、『お母さんが
「そうよ、昔は好きだったけど、最近はそうでもないから
「なにそれ!」
夏美はぷいっとそっぽを向いたまま、しばらく
――そしてふと、一言。
「あたし、この
と、コスモスの
(おわり)
極悪ヒーロー少年探偵団 葛原瑞穂 @mizuhokuzuhara
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