愛し合うために必要なものは何か?愚直にヒロインを愛し続けた少年は『愛だけでいい』と答えるかもしれない。寝る間も惜しんでヒロインに愛を証明し続けるだろう。好きという言葉の曖昧さを避け『愛してる』と伝え続ける。例え、それで相手が振り向いてくれなくても……いつか想いは通じるかもしれない。きっと、何年も掛かるだろうが彼は諦めなかった。恩人である彼女が恋人になった時、彼は骨になっても『愛してる』と言って、愛し合うために必要なものを揃えた彼女とようやく想いを伝えあえたのだから……。
骨だけの自分を拾ってくれた師匠を、少年は心から愛す。何度も告げる告白は、一度だって受け入れてもらえないけれど、それでも少年は一途に、彼女のもとで働く、という物語。なんというか、こんな美しい短編は久しぶりに読んだ気がします。非の打ち所がない。そして、大きな感動を与えてくれました。心が満たされるようです。師匠の言葉の数々、そして高く取引される魔法薬を作っているのにあまり裕福でないその理由、それらが全て噛み合ったラストでした。素敵な短編をありがとうございました。
骨の姿をした少年と魔女の物語。少年は魔女にずっと「愛してる」と言い続け、言われ続けた魔女はそれを死ぬまで拒絶し続ける。その先に待っているのは……。っちゅー話。愛とは何か、考えさせられるのと同時に大きな逆説を感じる話。あなたもひっくり返ろう!