私(わかる)読者(わかる)仲間たち(これがわからない)

春海水亭

嘘、何もわからない

KAC2021という企画があると思っていただきたい。

そして、筆者である春海水亭はその企画に参加していると思っていただきたい。

そのうえ、今回は「私と読者と仲間たち」というテーマで、

1200~4000字の作品を書かなければならないと思っていただきたい。


私の執筆条件について思い巡らせて頂いたところで、本題に入らせていただきたい。

「仲間たち」とは一体なんなのだ、ということである。


まず、私とは私、つまり春海水亭のことである。

もしもこれを書いている私が春海水亭ではない、

つまり私が私ではなかった場合は大変に面白そうなことになりそうであるが、

しかし、残念ながら私は私であるので、私とは春海水亭のことである。


次に読者である。

これはおそらく、春海水亭作品の読者のことであろう。

もちろん、カクヨムには春海水亭の作品なんて読んだことねーよタコ!

という方もいらっしゃるだろうし、そちらの方が大多数であると思われるが、

私、つまり春海水亭にとっての読者と言えば、春海水亭作品の読者であるので、

ここは春海水亭作品の読者であると定義する。

(勿論、私の定義は動かし難いものがあるが、読者の定義は容易に動かせるので、

 例えば、将来自作を読む方や、他の作品の読者の方など、

 様々な読者の可能性が考えられるため、あくまでもこのエッセイでの話だ)


春海水亭は主にコメディとホラー作品を発表しており、

その読者層の50%が小学生女児であると言われている。

正式な調査はしていないが、私の偏見によれば間違いないと思われる。

もしかしたら今これを読んでいるアナタも、

自分が気づいていないだけで小学生女児であるかもしれない。


さて、ここまでは良い。

問題は「仲間たち」である。


仲間たちの意味が本気でわからなかったので、

とりあえず他所様の作品を読みに行ったところ、

同じカクヨムで活動する仲間であるとか、創作活動する同士であるとか、

そのような方向性の言葉が目にとどまった。


正直なところ、感動した。

結局創作は孤独である、しかしその孤独を共有する仲間は、確かに存在するのだ。


-完-


と、正直なことを言えば、ここでエンドマークを打ってしまいたい。

だが、それは出来ない。

何故ならば、それは私の言葉ではないからである。

私がそのような意味合いで「仲間たち」という言葉を使ったところで、

薄っぺらなクソ野郎が、綺麗事抜かしてやがるぜ、ペッ!と思われて終わりである。


つまり、そのような意味合い以外で

「私と読者と仲間たち」で「仲間たち」の条件を満たす必要がある。


では、どうすればいいのか。

最も単純な発想としては、読者を私の仲間の内に含めてしまうことである。

読者を都合の良い時だけ仲間扱いする厚かましさ、これこそ私に相応しい。


だが「私、読者、仲間たち」ならまだしも「私と読者と仲間たち」である。

格助詞の「と」が示している以上、この場合「読者=仲間たち」ではなく、

「読者&仲間たち」を証明する必要がある。


つまり、読者は私の仲間ではない、恐るべき裏切りである。

私は歯軋りをし、悔しさに目を見開いた。

この屈辱を決して忘れず、続きの文章を刻み込まねばならない。


次に「仲間たち」を別から持ってくる方法である。

この場合の別とは、全く関係ない場所からである。

つまり、私と読者と(RPGの)仲間たちであったり、

私と読者と(TRPG)仲間たちであったり、

外部から持ち込むことによって「私&読者&仲間たち」の要素を満たすのである。


これは中々良い考えのように思える。

ゲーム内において紹介出来る仲間はそこそこの数有しているし、

他界隈の仲間であっても、「お願いします」と言えば断る人間はいないだろう。

(私と付き合う人間というのは、つまりそれほど優しいのだ)


つまり、今回のテーマにおける仲間たちとは……いや、駄目だ。

私は、読者と仲間たちに対して知己であるが、読者と仲間たちは初対面である。

このような場所で初対面となっても気まずいだけだろう。

なにより、私をノケモノにして読者と仲間たちが仲良くしだしたら、気分が悪い。

私はそのような関係性に入っていけない内気な人間であるのだ。

許せぬ。


というわけで、外部から仲間たちを持ってくることは出来ない。

当然、私の作品の読者ではない読者(の)仲間たちを呼んでくることで、

私と読者と仲間たちの関係性を成立させることは出来ない。

私は人見知りが激しいので読者の仲間と一緒にされても困るからである。


大変に難しい課題である。

これは、おそらく「直観」にも匹敵する難題だろう。


なにか無いだろうか、私と読者戸仲間たちを成立させる方法は――ん。

しまった、うっかり変換を失敗してしまった。

これでは、私&読者 door 仲間たちである。


……いや、これが正しいのだ。

この課題は「私と読者と仲間たち」である、

しかし、全ての「と」が同じ意味合いである必要はない。

私が二番目の「と」を格助詞であると思い込んでいただけである。


二番目の「と」は「戸」

つまり「私と読者と(戸)仲間たち」であれば良いのだ。


じゃあ、戸について調べてくるので、皆さんもよろしくおねがいします。

僕たちは戸仲間だ。

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私(わかる)読者(わかる)仲間たち(これがわからない) 春海水亭 @teasugar3g

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