君はもう、その新作スマホゲーをプレイしたか

amanatz

君はもう、その新作スマホゲーをプレイしたか


「お前、こないだやってたゲーム、もう飽きたって言ってたよな」


「ああ。なんつーか、どこかで見たような内容すぎて、つまんねーなーって」


「その気持ち、わかるわー」


「だろ? ある程度はわかりやすいシステムでないと取っつきにくいんだけどさ、ちょっとやって既視感ばっかだと、あーもういいわーってなっちゃう。最近は、チュートリアルのガチャくらいは回して、その後はあんまり長続きしてないんだよなー」


「んじゃさ、こんなのはどうよ」


「なになに? 新しいやつ?」


「最近けっこう人気みたいでさ。どんどんプレイヤーが増えてんの」


「へえ。そんなに面白いの?」


「俺も始めたばっかだけど、なかなか面白いよ」


「どれどれ。あー、へー、なるほどこの手があったか」


「歴史上の偉人とか、有名な刀とか、最近だと競走馬とか、擬人化キャラものっていろいろあるけどさ。これ、目の付け所がいいよね」


「確かに、この擬人化はありそうでなかった。でも、よく許可とれたな」


「これは噂だけど、割とノリノリだったらしいよ」


「あー、でも、そうか。流行れば、すごい宣伝になるもんな」


「そうそう。で、ゲームとしては、大きく三つの国があって、自分の所属する国の勢力を拡大していくという感じ」


「なるほど、三つ巴の戦いね。なるほど」


「シミュレーション要素がけっこう大きいね。面白いのは、自分だけでちまちまやるんじゃなくて、同じ陣営の国に所属する全員で協力し合って、他の国と通信バトルをするのがメインってところかな」


「まあ、元ネタ的にもそうなるだろな」


「通信バトルがとにかく熱いんだよ。とにかくまずは一人でもメインになるキャラを育成しておけば、同じ陣営の仲間のキャラと連携できるから、集団戦闘でもそれなりに活躍できるようになるし」


「勢力差もガチで拮抗してそうだもんな」


「そうそう。で、元ネタを反映してるのか、アップデートもどんどん入るんだよね。新技術を搭載した新兵器が、次々に実装されてきていて、飽きないんだよ」


「……もしかして、新しい第四の国もそのうち実装されたり?」


「よくわかったな!」


「いや、わかるよ」


「パワーバランスはしばらく変わらないだろうけどね」


「お前はどの国に所属してるの? っていうか、メインキャラは?」


「お父さん」


「おおっ、それ強キャラじゃね?」


「最高レアだよ。リセマラ頑張ったんだ。めっちゃ強いし賢いし、頼りになる」


「いいじゃん」


「これで、万能サポートキャラのドラえもんか、勝手にあれこれ自軍に有利になるように動いてくれる松ちゃんが来たら、もう言うことないんだけどなあ」


「じゃあ俺は……桃太郎あたりを狙っていけばいいのかな」


「その陣営ならそうだな、現状では間違いなくバトル最強だからね。後は、鬼ちゃんも何でもできるから有能だぞ。金ちゃんはあんまりって噂」


「あー、でも、どうしよっかな」


「何がだよ」


「俺、バトルとかそっちのけでいいから、橋本先生を引き当てて、癒してもらいてえな」


「それな……俺も正直、浜辺先生がほしいよ……」


「乗り換えはできんの?」


「できるできる。リアルでも機種変すると、乗り換え先の陣営のスペシャルガチャチケットがもらえるから、みんな乗り換えしまくってるらしいよ」


「マジで? じゃあ、登録してすぐ機種変しよっかな。最高レアの橋本先生を手に入れなければ」


「ちなみに現状のレア度はご段階あって、最高は『星5G』だからな。まあ、頑張って引き当てられるようにな。あと、ハマり過ぎには注意しろよ? このゲーム、プロモーションのためなのか、データ量超えても通信速度制限かからないって噂だからな?」

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