パン屋の娘をフッただけなのに……( ;∀;)
黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)
第1話
俺の名はドレー。材料さえあれば大概の機械が作れる凄腕の総合メカニックだ。
少し都市部でやらかして、ほとぼりが覚める迄辺境でメカニックやってます。
突然だが、俺は昨日、告白された。
強面パン屋のところの一人娘、アリア。
「忙しいでしょうから、私が届けます!」と言って、そんなサービス他の人にしていない筈なのに、いつも家まで届けてくれる彼女は昨日、俺の家の軒先で言った。
「付き合ってください!ドレーさん、あなたが好きです!」と。
頭を下げて、フランスパンの先端をこちらに向ける。
「アリアさん……ごめんなさい。僕はあなたとは付き合えません。」
気立ての良い娘。確かに彼女が好きだが、でも断った。
「……あはは、ごめんなさい。そうですよね。ごめんなさい!ちょっとおかしな女ですよね私!いきなり家の前で告白なんてどうかしてますよね!」
涙で黒目が揺れる。
「ごめんなさい!失礼しました!」
パンを持ったまま、全力で来た道を引き返していった。
「これで、良いさ。」
昨日のことここまでーーーーーーーーーー
今日のことここからーーーーーーーーーー
「新型麻薬の精製装置を作って貰う。期限は二日。良いな?」
椅子に体を縛り付けられ、銃を突き付けられて宣言された。
「ちっとも良くない!」
回想ここからーーーーーーーーーー
今日、朝店を開けると常連の男が来店した。
いつも何の脈絡もない部品や機械や器具を買っていく奇妙な客。
今日はその男が二人男を連れて、銃を持ってやってきた。
「一緒に来い。」
浚われました。麻薬シンジケートに!
昨日、この町の幾つかあるマフィアのうちの一つの、穏健派のボスが交通事故で入院して、敵対勢力が活発化した。
小競り合いが多くなり、あと少しで死人が出かけた。
そこで警察も本腰を上げて捜査を開始。
過激派マフィアとグルの麻薬シンジケートも捜査&逮捕の危機に陥っていた。
そこで、麻薬シンジケートのボスはかねてより作っていた新型麻薬精製装置の完成を急いだ。
作り終えたらそれを持ってとんずらする腹積もりらしい。
どうやら、元々うちの部品を少しずつ集めて作るつもりだったらしいが、そうも言っていられなくなって凄腕の総合メカニックに直接作らせるためにわざわざ誘拐したらしい。
「ったく……名前を聞いたチンピラが漏らすと呼ばれたスフォルツァードともあろう者が、飛んできたフランスパンに気を取られて交通事故とは……情けない。」
はい、交通事故の現場。うちとパン屋の丁度間にあります。
時間は、昨日俺がアリアをフッた後の話です。
パン屋の娘をフッたばっかりに、今の状況です!
「作れなければ死ぬ。それだけだ。」
黒服グラサンが淡々と言う。
「参ったな……。」
椅子に縛られたまま体を揺らす。
「作れば良いだけだ。何の問題がある?」
銃口は相変わらずこちらを向いている。
「いや、予定より早く仕事が終わりそうで戸惑ってるだけだ。」
靴の中に隠してあった小型銃がグラサンの銃を吹き飛ばす。
「!」
グラサンが驚いた頃には俺の拳がグラサンを割っていた。
「売ったものの中に盗聴器やら発信器仕掛けてジワジワ捕まえるつもりだったのに……。ま、いっか。」
改めて、俺の名はドレー。材料さえあれば大概の機械が作れる凄腕の総合メカニック……という設定のエージェント。
麻薬シンジケートを潰すためにここまでやって来ました!
あのあと、シンジケート内にガスを仕掛けてみんな眠らせて……地元警察に引き渡したんだけど、うっかり……その時に現場に居るのを野次馬に見られたんだよね……。そしてその中にはアリアさんも…。
「ドレーさん……」
「だから、付き合えないんですよ。
僕みたいなのとは関係するべきじゃない。
幸せに、ここで生きて穏やかに死ぬのが良い……。」
僕も彼女を好きだろうと、それが一番良い。
「それでも……」
パン屋の娘をフッたら、麻薬シンジケートを壊滅させて、パン屋の嫁ができましたとさ。
PS:製作時間1時間なので、作りが荒くて申し訳有りませんでした。
パン屋の娘をフッただけなのに……( ;∀;) 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika
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