どこかかしら、作品の全てに快い、上品な雰囲気が漂う佳品です。

短編の筋の運びの中で、いきなり生の重要点が現れて結実する、という流れが過不足なく描かれていて、おまけに雰囲気全体がとても香り高いと感じました。

私は不注意に読み始めたらしく、主人公の女性(最初はそれも不確かでした)が実は魅了的な美人である、という事を想定していなかったので、最後でややびっくりさせられました。その効果がよかったのかもしれませんね。