第8話 おでかけ(後編)

 あのあとはホントに何も話すことなく店についてしまった。


「お兄ちゃーん。これどれがいいの~?」

 静がVR機器本体を指さし大声で僕に向かって叫ぶ。


 お願いだから大声で喋らないでほしいものだ。

「オーズ社とオルセック社の違い…?」

 VRに関しては全くの初心者だからそんなことはわからん。

 よし、店員さんだ。

「すみませーん!」


「ちょっとお兄ちゃんうるさい」


 妹に注意されてしまった。

 ごめん。と苦笑いで謝ると妹はプイッとそっぽ向いてしまった。


 店員が来ない…こんなに大きな声で呼んだのに、、、

 僕の妹は横の雑貨店でスマホケースを見ているようだ。VR機器買うんじゃないの──ん!?

 少しして近づいてきた店員を見て驚く。


「彰人!?」


「お、悠斗か。どーした?」


「どうしたじゃないよ!なんで彰人がこの店で働いてるのさ…」


「ここの店のテンチョーが俺の父さんの友達でさ、俺がVR好きって聞いてバイトしないかって声かけてくれたんだ。

 今テンチョー留守だけど俺でも対応できることなら対応するぜ?」


 彰人が教えてくれるなら気が楽だ。

「じゃあ、これなんだけど──」




ふっふっふーん──

結局彰人が教えてくれた機器とUFMOのカセットを買った妹はなんだかご機嫌そうだ…

もしかして静もUFMOやる気なのだろうか。


そんな不安を残したまま家への帰路についた…






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VRMMOって何すればいいかわからないからとりあえず忍者目指します。 とある彼岸花 @toanea

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