第4話 聖女には

「え~と、それから...」


「もういい...」


「あ、止めます?」


「あぁ、もう十分だ。聞きたくない...」


 残念! まだまだネタは沢山あるんだけどね!


「そうですか。で? どうします?」


「済まない、アリア...聖女をこのまま続けてくれ..それと出来れば俺の婚約者としても...」


「どちらもお断りしますよ。バカにするのもいい加減にして下さい」


「そ、そこをなんとか...」


「その性女と仲良く乳繰り合っていればいいじゃないですか。どうぞご勝手に」


「お、おい、待ってくれ、アリア! 頼むから!」


 待たない! 私は振り返ることなく教会を後にした。



◇◇◇



 その後、私は隣の国に渡って街で治療院を開業した。聖女として教会や国と関わるのに嫌気が差したからだ。元聖女ということは秘密にして病気や怪我の治療に専念した結果、かなり繁盛して忙しい日々を過ごしている。


 数年後、風の噂で私の母国が聖女を無くしたせいで、国力が徐々に衰退していると聞いた。私を陥れようとした王子と性女がその後どうなったのか、知らないし知りたくもない。



~fin.~


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聖女にはなれませんよ 真理亜 @maria-mina

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