Ｗａｒｐ

第8話 後日談

「なぁ。」

「ん？」

お互いの休日に合わせ、お互いの家を訪れる。

今日は、ミカが俺の家に来ている。

「あのＣＤだけど。」

「え？」

「ケースの中に、入って無かったぞ。」

俺の言葉にさぞかし驚くと思いきや、ミカはニッと白い歯を見せ、笑った。

「そうだよ。」

「は？」

「中身が無い事に気づいたら、取りに来るかなって思ってたんだけど。」

（マジか････）

それは俺が否定した【虫のいい想像】の通りで。

「今頃気付いたの？おっそ～。」

ミカは呆れたように俺を見ている。

そして。

「聴きたくなったら、いつでもうちに来ればいいよ。」

「いや、つーか、返せよ。」

「やだ。」

こうなったら、ミカは絶対意地でも返さないだろう。

楽しそうに笑い声をあげるミカを見ながら、俺は思った。

（ま、いっか。そのうち一緒に住むだろうしな。）