第11話 2001/3


[nagisa no angel]


---砂に書いた文字、見つめる君は

ヴァニラ・シェイクの香りの天使

波に消えてく、Letterは君の

ため息いろの 想いを海に

ひとかけらづつ さらってゆくね



「...あなた、の事が..。」


気になって。

でも、言えなくて。

遠くから、いつも見てるの..

そおっと、静かに...気づかないでね?


..でも、気づいてね...いつか。



なみ音のように、refrain

tunoru想いに、瞳も揺れて...





litttle Girl,瞳を閉じて

little Girl, 信じてごらん

ローランサンの 淡彩のような

little Girl,渚のエンジェル



夏、まだ早い 南風

どこまで続く蒼い空

午後の陽ざしと 水平線と

灼けた肌にハレイション

まぶしいsmile


Little Girl,I love you

little Girl,まもってあげる

Little Girl,渚のエンジェル....



[作:shoo 2001/3]




---------------------[長文のコーナー]------------------------------------




[I'm not in love]


部室棟に、きょうも夕暮れが訪れる。

いつものように、なにげなく。

...でも..今日は、すこしだけ...



二階のこの部屋の窓からは、校庭の並木が見え、秋風に揺れる小枝、

色づく紅葉などが夕陽を浴びて。

晩秋、という風情を醸している。

...しかし..



そんな季節の移ろいなど、感じだにせぬような鋭い眼光。

そっけない実験着は、華奢なセーラーの肩にどう見ても不つりあい。

痛々しさすら感じさせて。


薄暗いこの部屋でひとり、コンピューター・ディスプレイに打ち向かっている...

メカニカル・アクションのキーボードの硬質な響きだけが乾いた空気を震わす。


「.... ふ....。」


半ば、自嘲気味に微笑む。


クールなvoice。

低く、しかし、爽やかな印象。





「占いなどと、非科学的なものだ...。」


ひとり事をくりかえし、Database randum-search plogram を書き上げる。


そう、検索の重みつけにより、統計的アプローチにアナログ的曖昧さを持たせよう、

という試みだ。


それでも、「創る」という行為に没頭するのは、研究者故。




「さて... と。これで..。」


完成。


X-Window systemの無機的な画面には、データ入力欄が白く。



------------------------------------


Your neme;

Birthday :

Brood type:

Gender :

Old :


other data:



partner date:





If halt Press CTRL-C or hit any key

-----------------------------------



「...。」


完遂の笑み。


たとえ、不本意な「仕事」だとしても...。

研究者とは、そういうものだ。




表情が和らぐ。


ガス・チェアのレヴァを操作し、シート・バックを倒す。

大きく伸び、ひとつ。




「... さて...。」



少女は、Alt+Qで、ウインドウを終了させよう、として..



「... テストしてみる、か。」



慣れた手つきで、自分の名前を Your name : に入力しはじめた...



.........全てのデータをエントリーした。



Enter!




「!」


「なにを... ばかな...。そんな.. はずは...。」



冷ややかな表情に、動揺の色。




不意に立上り、斜めの光線が縞模様を映し出している窓辺へ。

ブラインドに触れ、間隙から外に視線を投げた...。


鋭いはずだった眼光に、迷いの色。

どこかしら、表情に少女らしさが見え隠れ...

















X-Window client は、無機的な文字を表示している....




------------------


......succeded.


You are in Love.


------------------

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