第7話 キース ト カジ オヤジ

キースの朝は早い。


朝起きると2階の廊下を回り部屋の扉の前に出された汚れた衣類を回収する。


今までは自分と爺ちゃんのだけだったが、

ハワードの分も増えた。


ハワードは今まで鳥故に衣類を着ていなかったし、必要も感じなかったが、

人としての生活を行うと生活空間が酷く汚れてしまう事が分かった。


特に足跡が目立つのだ。


次に寝具の汚れが酷くなる。


裸で外出し帰宅する。

その汚れを拭き取るだけでは落ちない。


寝具が2〜3日で真っ黒になる。


湯船に浸かる事は高位の貴族くらいしかしない。


水は貴重なのだ。

領内にも井戸は何ヶ所か存在するが最低限の量で日常生活を送る。


足りなければまた井戸へ汲みに行く。


湯船に水を張る水量といえば湯船の大きさにもよるが30〜40Lは必要になるだろう。


ソレを毎日組みに行くとなるとペットボトル2L入りを15〜20本分持ち運び移動する労力だ。


2階で洗濯物の回収が終わり1階洗濯室へ向かう途中 ハワードの奇声が聞こえた。


「、、、 れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう」


(ハワード!?朝から一体なにしてんの!

そんな危険な魔術、屋敷の中で連発したら建物がこわれちゃう!やめさせなきゃ!)


キースは、いっぱいになった洗濯カゴを担ぎ急ぎ声のする方向に走る!


「、、、 れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう」


「ハワード!!なにやってんの!」

(まったく!あの鳥だけは信用しちゃだめだな)


料理部屋の中にいるハワードに向かい叫ぶ!


「キース洗濯はもう終わったのか?」


この屋敷にはクラウザーとキースそしてハワードしかいない。


クラウザーは当主の役目があり毎日仕事部屋に引き篭もる。


家事は当然二人で分担する事に話はなっていたのだ。


さも当然の様にハワードはキースの作業が完了したのかという確認の意を放つが今はそれよりこの状況だ。


「ってアレ?」キースが自身の考えと部屋の状況が違う事に驚く。


ハワードが錯乱し部屋で魔法をぶっ放して部屋は無茶苦茶な状況になっているものだと思っていたのだが、、、


「ハワードの変な声が聞こえて来たから急いで2階から降りて来たんだけど、、」


料理部屋を見渡すと、奥の窯ではスープの入った鍋と、テーブルには平たい円状のパン生地、仕込みが終わった野菜がトレーに並べ置かれ ハワード自身は仕込みの最中のようだ


ハワードは少し考え、

「ああっコレの事か?」っと乾燥肉を見せる


「ん?何これ?何か関係あるの?」


理解出来ないでいるキースにハワードはもう一つ調理道具を見せる包丁だ。


「こんな刃で良く乾燥肉がスライスできたね?」

刃こぼれが酷く錆び付いている。


「いや、この包丁きれなくてな、、」

包丁を作業台にそっと置くと、

まだ仕込みの終わっていない乾燥肉を手に取る。


「今日はピザでも作ろうかと思っててな」


乾燥肉をまな板に置き、ハワードは手刀(フリッパー)を構え仕込みをはじめる。


「、、、 れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう、れっぷう」


乾燥肉は見事にスライスされていく、風の刃を手に纏いきざむ、きざむ、きざむ。


よくまな板が切れないなっと感心したがそれは天才的な魔力コントロールなのだろう。


それを眺めるキースはバカバカしさと魔力コントロールの凄さにただ呆然と眺めるしか出来なかった。

あまりの情報料の多さに思考は停止した。


「後は具材を生地に飾り付けて焼くだけだぞ今日のピザは我ながら会心の出来だな!」


その日初めて食べたピザという物は最高に美味しく祖父にも好評だったが、それと同時にキースに新たなトラウマが刻まれた。


今後のネタバレ


ハワードは今回の事がきっかけで次回新しい魔法を作ってしまいます。


それはハワードが発明したこの世界に無い魔法。


ハワードの戦闘力が飛躍的に向上してしまうこの世界でいうチートになります。


キースの成長と無双展開はあるのでしょうか?


クライマックスはハワードとドラゴンの戦いそして、当て身投げが見所にしたいですね。

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キースとハワードの魔導×格闘クロスオーバー 決め手にカケル @kimetenikakeru

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