矢沢さんは自分とは別世界の人。だから関わらないでほしいと思っていた深田さん。けれどある日、矢沢さんにこう言われます。「深田さんさ、もしかして小説書いてんの?」そう言われ、深田さんは…あなたの世界の一つになりたい。そんな祈りが籠った物語です。
軽めな文体に、高校生の表面的なとこがマッチし、その表面に浮き出てくる渇きを掬ったような作品です。
小説を書く人と、書かない人。 そこには埋まることのない溝のようなものがあり、「書く人」と「書かない人」は一生わかりあえないのではないか。 そんなことを思っていたのですが、このお話を読んで、「そうじゃない」と気付かされました。 小説を書く人にはもちろん、書かない人にだってそこに「物語」がある。人と人が関わって、世界にたくさん生まれていく「物語」。 やっぱり世界は、素晴らしい。そんな風に再認識できる、素敵なお話です!