第60話 来たりし雷の神
荒野と化した草原の近く。
まだ森と呼べる場所の木の陰で、赤髪に黒メッシュの少年レイが、今しがた始まった戦闘の様子を観察していた。
「すっげぇ……」
視界の中で繰り広げられる戦闘をみて、レイは思わずそう零していた。
雷雨ならではという雷を自在に操り正確に敵だけを狙うヴォルヴァ。その雷を、地面から伸ばした土を自在に操り全てを防ぐユーリル。空を飛び、高さというアドバンテージを生かして一方的に銃弾を撃ち込むエルラ。多少被弾しつつも一切ひるまず、脚力増強ジャンプでチャンスを伺うマッチョたちと、筋肉バカどもに正確な指示を出して、一人の脱落者も許さないシャヴィ。
〈どうやら本格的に始まったようだな〉
レイの頭に直接響くブラフマーの声。
地面の崩落に巻き込まれたとき、寸のところでブラフマーは二人を覆う無の膜を作ったのである。おかげで地面に二人は押しつぶされるなんてことは無く、損傷なしで生き残ったのだ。そのことにレイが「無を作るって一体何なんだ?」とすこし哲学的な思考を巡らせていたら、ブラフマーがレイの胸に手を当て、金色の光の粒子となりて吸い込まれるようにレイの体内に入った。
ブラフマーがついでで作ってくれた空洞を登って今の状況に至る。
(てゆーか、俺はこの後どうすればいいんだ?)
地上に這い上がったものの、第三勢力として存在するレイはどう動けばいいのかよくわからなかった。それもそのはず。つい先日まで天を信仰する民の一人であった自分が第三勢力としての立ち回りなどを知る由もなく、今行われている苛烈な命の取り合いを眺めることしかできない。
〈……今回は傍観しろ〉
(え?)
だからこそ、この話を持ち出したブラフマーに教えを請いたのだが、返ってきたのは意外なことに消極的な言葉だった。
〈戦況が大きく動くまで傍観に徹しろ。貴様はこの戦いではっきりと決めてもらう〉
何を……と聞いても、自分の中にいる少女はそれに答えてくれなかった。
結局何をしたらいいのかわからないレイは、とりあえず存在感を消してその戦いを見守ることにした。
#
乾いた音が鳴り響き、雨に紛れていくつもの弾丸が空から地上に降り注ぐ。
「散開っ‼」
標的となったヴォルヴァを除く《筋肉は素晴らしい》のメンバーは四方八方に駆けそれを躱す。あの連射してくる銃は完全に所見だが、シャヴィの指示通りに動くことで一切の被弾を防いでいる。
「チッ、だったら――〈シフォロギア〉‼」
宙に浮いているエルラは魔法で強制的に相手の動きを止める。対象の筋肉故、抵抗力が凄まじいが、動きが鈍くなった一瞬の内に鉛玉を打ち込む。
「硬化‼」
「〈ボディチェンジ〉――【アイアンボディ】ッ‼」
だが、全身の皮膚が鉄に変わったせい弾が通らない。
その後も何度か戦法を変え、無作為に撃ち込んだり体を操って同士討ちを狙ったりもしたのだが、全てシャヴィの采配で防がれてしまった。それに弾丸も消費しすぎている。弾がぎっしり詰まったリュックはこっそりと近くに忍ばせているが、相手がそれを回収する暇を与えてくれるとは思わない。
エルラが一方的に攻撃しているわ気でもなく、時折向こうの筋肉マッチョがこの高さまで跳躍して拳を振るってくる。それ自体は簡単に躱せるのだが、その跳躍時間に仕留めることもできない。
シャヴィ・レスクという有能な指揮官に苛立ちを募らせていると、不意に仲間の声が聞こえてきた。
「エルラ! 地面に立って‼」
エルラはなぜ有利な上空を捨てなければならないのかと疑問に思ったが、友人の言葉を信じて重力と魔法を掛け合わせ一秒も立たない速度で地上に降り立つ。地面に足を着けると同時にエルラの頭上に土の壁が現れ、天からの雷を防いだ。これが〈トール〉の仕業か天然ものかは知らないが、どうやら、高いところにいたせいで避雷針のような役割を果たしていたようである。一撃死のピンチを救ってくれたユーリルに感謝するが、決して安心できる状況ではない。
さっきまでとは違って、今は地上にいるのだ。あの思わず引いてしまう筋肉魂がお構いなしに一気に襲い掛かってくる。エルラは低空飛行も混ぜた動きで迫りくる拳をやり過ごすが、いかんせん連携技が凄まじい。避けた先には別の拳が。銃という圧倒的な武器を一切恐れず突っ込んでくるマッチョたち。一連の攻防が終わり仕切り直しになるころには、エルラは心身共に結構消耗していた。
エルラは出し惜しみする事を止めた。背中の辺りに着けていた魔法石の埋め込まれた大きなグリップに、手に持っている二丁の短機関銃を背合わせで取り付ける。すると、彼女の手に収まっているのは大きなライフル。【珍銃・たまスケ】の真髄。自分の武器が変形したことに驚いている一瞬で、エルラは一番厄介な指揮官に照準を合わせ、一切の躊躇いなく引き金を引いた。
「シャヴィ! 〈ボディチェンジ〉――【アイアンボディ】‼」
本能的に危険を察知したのだろう。一人のマッチョが、エルラとシャヴィの間に立ち魔法で皮膚を鉄に変える。だが、エルラが放ったのは魔力弾。通常の鉛弾ではなく、魔法の使用に欠かせない魔力を凝縮してはなった一発。
ゴーグルをつけているエルラ以外の人間は見る事すらできない一撃は、鉄と化した両腕、そして首を容易く撃ち抜いて見せた。
「な……!?」
目の前で散りゆく一つの命。指揮者を生かすために生贄。覚悟はしていたが、突然すぎる仲間の死にシャヴィの思考は一瞬止まった。すぐさま今の状況を思い出し指示を叫ぼうと憎しみを込めて剣を握っている右手に力を入れるが、その一瞬のラグが命取りとなる。
「エルラナイス! 〈アマイモン〉――【地暴者】!」
近くで隊長と互角の戦いを繰り広げている少年の声がして、現象は時の流れに沿ってシャヴィを襲う。
シャヴィの近くの地面から四角柱の土が突如として伸び、進路上にあったシャヴィの横腹を容赦なく殴打した。
「ガ――――――――――ッ‼」
一切の防御をしてなかったシャヴィは、土が伸びる推進力をその身に受けて、森の遥か彼方へと飛んで行った。
「さっすがユーリル。これでこっちが有利に立ち回れるわ。さぁ、行くわよ‼」
エルラは巨大なハンマーを振り回す敵と戦っている友人に称賛の笑みを残し、明らかに動揺で動きが鈍っている筋肉マッチョたちに、【珍銃・たまスケ】を武器に大量の魔力弾を撃ち込み始めた。
#
天人と魔人のぶつかり合い。
ヴォルヴァとユーリルは、生態系に甚大な被害を与えながら神と悪魔の権能を使用していた。
片方は自在に雷を落とし、敵の生命活動を止めようとする。だが、それはもう片方が作り上げた土壁によって妨げられた。
攻守が入れ替わり、先端が鋭利な土くればいくつも地面から突き出て、体を突き刺そうとしてくる。それを鎚の大きさに比例しない短い柄の、金色のハンマーを振り回して木っ端みじんに粉砕する。
お互いが権能を使うたびに地面がさらに荒れ、時々潰れて原型をとどめていない誰かの腕や足、はたまた首が掘り返される。そこから流れる血が雨によってさらに広がり、今二人がいる場所は、ほんのり赤い地面が広がっていた。
「アースガルド最強を謳っているのに僕程度の人間に苦戦するのかい?」
天から降ってくる雷を土壁で防ぎ、ユーリルは互角に戦う敵軍の〝最強〟を嘲笑した。もし今戦っている相手がごく普通の歩兵だったら称賛の言葉の一つや二つ掛けてやらんことも無かったが、それが〝最強〟ともなればこの程度かとバカにするほかない。
ユーリルは一介の兵士。対するヴォルヴァは一つの国の軍を指揮する司令官。その二人が同等の実力ということだけで、この二つの国の軍事バランスは火を見るより明らか。
「ちげぇよ。オレが本気を出したらここにいる仲間全員消し飛んじまう」
「へぇ、なら全員違う場所に飛ばしてあげようか? さっきやったみたいに」
ヴォルヴァの体がピクリと動く。ついさっきシャヴィが目の前にいる敵の手によって遥か彼方に飛ばされた。彼のタフさからすれば生きていると確信できるが、だからといって仲間を傷つけたことに変わりない。それに、地面の下には、とてつもない圧力で押しつぶされた仲間が沢山いる。そんな状況で、ヴォルヴァは全力を出す気になれなかった。
でも、シャヴィを失った今、時間が経てば経つほど天側の負けは確定する。それほどまでに魔側の二人は強い。
ナイトメアの教育機関がどうなっているか気になるも、ヴォルヴァは己が今やるべきことに専念する。
「お前さんのそれは地面を操る能力か? 地底の住人らしい能力じゃねぇか」
「悪魔が地下にいるっていうのはかなりの偏見だね。それと君の雷はこれから堕ちるって知らせかな?」
一つ言葉を交わしすぐさま次の行動に出る。
【天雷】の効果が薄いことから、ヴォルヴァは物理攻撃に切り替えた。【打ち砕くもの】を強く握り、そのバカでかい鎚でユーリルを土壁ごと粉砕しようと振り回す。そんな狙い丸わかりの攻撃をはいどうぞと受けるわけもなく、ユーリルは【地暴者】でヴォルヴァの進路上に大量の土壁を作りだす。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼」
雨に負けぬ雄叫びを上げて、ヴォルヴァは目的の妨げである土壁を【打ち砕くもの】に渾身の力を込めて縦横無尽に振り回すことで砕いていく。その土壁はとても分厚く、密度も高い。
一つ壊して、もう一つ壊して、永遠と生え続ける土壁にひたすら【打ち砕くもの】を打ち込んで。柄が短いせいでうまく力が入らないが、そんなものは鍛え上げた己の筋肉でどうとでもカバーして。
何回も何回も壁をぶち破って、ヴォルヴァは、最後の壁を粉々にした。
「はっはは……――なっ⁉」
敵の砦を壊したから次は本体だ――と思っていたのだが、ヴォルヴァの眼前に殺すべき敵の姿が無かった。
「さっきから一人で何してたの? 僕はここだよ?」
予期せぬ方向から声が聞こえて、その方を向くと、さっきまでとは真反対の位置にユーリルが、あたかも今までずっとここに居ましたよと言わんばかりに立っていた。
いつのまに……そんな言葉を口に出す前にヴォルヴァは本能のままに防御態勢を取った。それはとてもいい判断だったというべきだろう。なにせ、次の瞬間。ユーリルの周囲から伸びた先端の鋭利な土塊が一斉に襲い掛かってきたのだから。
勢いよく伸びる土塊はヴォルヴァの体に深い傷を残していく。幸い急所は固い筋肉によって守り通せたが、左足と、〈トール〉の権能が宿る【打ち砕くもの】を振るのに欠かせない右腕に大きな風穴が開いてしまった。
「隊長ぉおおおお‼」
信頼ある上官の危機に、筋肉たちが駆け寄り、ヴォルヴァの前方に立ち、更に畳み掛けてくる土塊をその筋肉で砕いていく。だが、明らかに数が少ない。今ヴォルヴァの周りに集まった白の軍服を着ている人間は七人。シャヴィを守るために犠牲になった者と、吹っ飛ばされたスあヴィの抜いて、《筋肉は素晴らしい》のメンバーが十人、摩訶不思議な銃を操る一人の少女に殺された事になる。そのことにヴォルヴァは今までにないほど憤った。仲間が、共に心身を鍛え、長年一緒に任務に励んできた仲間が。ユーリルとの戦闘に熱中していたが、少し辺りを見回せばどうだろうか。
体のどこかを吹き飛ばされ、力なく横たわっている死体。いつもの活気も、絶えることのなかった笑みも、軍務の後の話し相手も、もうそこにはなかった。地形を壊し過ぎたせいで地中の仲間もかなりの数が地上に放り出されていた。ぐちゃぐちゃにひしゃげたテントと、真っ赤に染まった軍服と、薄っぺらい肉と、粉々になった骨。一目見てそれを人間のモノだとは気づかないほどに悲惨な死体。
頭が真っ白になりかけるが、体を叩く冷たい雨が思考を現実に引き戻す。
今は交戦中。相手は殺さなければならない魔の信者。そして、この悲惨な光景を作りだした元凶。ならば、殺せばいいではないか。もとよりこの遠征の目的はナイトメアまでの地図情報を確保する事。その過程で現れた障害は排除するべきなのだ。そうすれば、勇敢に戦い散った戦士の魂も報われる。その後また進軍すればいいではないか。
己の指揮を悔やむのは後だ。今やるべきことは、年齢にそぐわない圧倒的な力で森を蹂躙している敵を殺すこと。魔側の人間を殺して、天側が有利だとナイトメアに知らしめる。
――それが、永久不変な天上の意思故に。
「集え稲妻。天より下されし雷よ。我が願いを聞き届け、その意思を今示せ! 〈トール〉――【車を駆ける雷神】ッッッ‼」
ヴォルヴァは仲間の仇を討ちたいという願いをありったけ込めて、風穴の空いた右腕を意地にでも動かし、【打ち砕くもの】を天に掲げる。腕を動かす度に血が溢れ出し、白い軍服、【銀の手袋】や【力の帯】が真っ赤に染まっていく。それでもヴォルヴァは叫んだ。
――ああ、神よ。今こそオレに魔を討ち滅ぼす力を。
巨大な金色の鎚と、短い柄の不格好な【打ち砕くもの】に、雷雲から無数の雷が降り注ぐ。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああ‼‼‼」
轟く雷鳴。
響く叫び。
力が漲る。【打ち砕くもの】を通して体に直撃する雷は、まるで神のごとく。〈トール〉の力が、己の肉体に宿っていく感覚。まるで、神と同化しているような――。
数十秒という長い時間降り続けた雷の雨は止み、ヴォルヴァが天に掲げている【打ち砕くもの】は真っ赤に発熱し、そこから青白い雷がバチバチとうねっている。
この瞬間までヴォルヴァのことを守っていたマッチョたちも、一撃必殺の力を得たヴォルヴァに視線はそのまま信頼と希望の笑みを向けた。
部下たちの気持ちをしっかりと受け取ったヴォルヴァのその紅い瞳には、圧倒的なまでの自信と頑なな決意が映っている。その表情を獰猛な笑みに変え、どんどんなくなっていく血液や襲い掛かる疲労感を全て無視して【打ち砕くもの】を、いまだに土塊での攻撃を繰り返しているユーリルに向けて、口角の上がった口を開いた。
「随分と暇させたみてぇだな。だが安心しな。お前さんの暇な時間はもう終わりだ。……命も、な」
その一方的な宣告に、ユーリルはやっと本当の戦いが始まると、いつもより生き生きした瞳でヴォルヴァのことを見つめ返す。
「君にそこまでの力があるのかは不明だけど、その意気込みだけは受け取っておくよ。……でもね、死ぬのは君なんだよ」
「ハッ、言ってろ。それじゃあ――」
ヴォルヴァは【打ち砕くもの】を大きく振りかぶる。これを振り下ろせば、何百、何千という圧倒的な電圧を持つ雷がユーリルの体を襲い、確実に死ぬ。
そして、ヴォルヴァはその行動をためらう理由が一切ない。
ヴォルヴァは勝利を確信して【打ち砕くもの】を振り下ろして――、
パリンっ。
ガラスコップが割れるような音がして、膨大な雷を蓄えた【打ち砕くもの】が粉砕した。
「……は?」
突然かつ不意な出来事過ぎて、ヴォルヴァは一瞬、今起きた出来事が理解できなかった。感触的に強い圧力がかかった方を見ると、そこには栗色の髪をツインテールに結い、雨でスケスケの学校指定の制服を着た少女が、得体の知れない巨大な銃の銃口をこちらに向け、ニヤリと口元を歪ませていた。
ヴォルヴァは勘違い、いや、失念していたのだ。
さっきまでエルラと戦っていた部下たちがここにいるということは、当のエルラは完全ノーマークで、フリーに動けるということを。
てっきり部下たちがエルラを倒して応援に来てくれたのかと思っていた。だが、実際は――危険な状態に陥っていた上官を助けるために、行っていた戦闘を放棄して来ていたのだと。
思考が追い付くにつれ、ヴォルヴァは体に起こる異変に気づき始めた。敵を殺すために蓄えていた雷が、全て自分の体内に移動していたのだ。その膨大なエネルギーは、体内から侵食するようにヴォルヴァの体を壊し始めた。
「う、うあ……ぁ、あああ―――――――――――――――――――――――!」
青白い雷が、球体となってヴォルヴァの体を覆った。風が吹き荒れ、降水量も増す。雷雲が蠢き、ヴォルヴァのいる位置を中心に収束し始めた。
次第に大きくなっていく球体。それは勢力を増していき、近くにいた部下七人を、一瞬の内に灰すら残さない還らぬ人に変貌させた。
「――ッ‼ エルラ! 〈アマイモン〉――【地暴者】‼」
ユーリルはその異常なまでのエネルギーを遮るために、自分とヴォルヴァを挟んだ向こう側にいるエルラを、全体を囲う半球の土壁で覆った。悪魔たる〈アマイモン〉の権能だからこそ被害から免れたが、これが普通の土塊であれば、瞬時に自分ごと消え去っていたであろう。
ヴォルヴァを覆う青白い雷の球体は、一定の大きさになって拡大を止め、次は内部にいるヴォルヴァに異変が生じた。元から大きいガタイがさらに増し、一回りも二回りも、はたまたそれ以上ともいえる、一言でいうなら〝巨人〟のようなシルエットに変貌した。黒のオールバックが真っ赤に染まり、髪に繋がる赤ひげが生えた。
球体は宙に浮かび、一気にその溜まった雷を解き放つ。地面に生える草が、ひしゃげたテントが、判別不可能な潰れた、体のどこかを綺麗にぶち抜かれた死体が、そのすべてがきれいさっぱり消え去った。
球体が無くなって露になる〝ヴォルヴァだったもの〟。人の何倍もある巨体。体のラインににぴったりと沿った服。赤髪赤ひげの大男。右肘の【力の帯】に右腕の【銀の手袋】。そして右手に持つ【打ち砕くもの】。巨体を収める大きなそりを巨大なヤギのような二頭の獣が牽き、宙に浮いている。
〈トール〉の力が宿った【打ち砕くもの】の破壊。封印の破壊。それにより起きた最悪の出来事。現れるはずのない、本来この星にはいなかった、人ならざる者。
「我が名はトール。この星を手中に治めに来た、一体の神である」
今ここに、雷神トールが『再来』した。
天魔再来 白上 なる @na_ru09
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