雨のち快晴

幼いときの思い出を思い出したリゼは改めて、結婚をするならハイト様がいいなと思った。

でも今ここに居られるだけでこんなに幸せなのに自分なんかが選んでしまって良いのだろうか?そう思うと彼女はなかなか動けなかった。


気がつくと涙がポロポロと溢れ出していた。


「こんなに涙が出るほど悲しいのなら気持ちくらいは伝えなくては。」


リゼは決心をした。


涙を脱ぐってハイトとユリの元へ急いで向かった。


「ハイト様!」


ハイトの近くにはユリ、取り巻きが既に居た。


「どうしたの?」


優しい眼差しでハイトはリゼの方を向いた。


「私は、たとえあなたと結ばれなくてもハイト様、あなたのことを愛しています」


堪えていたはずの涙は流れていた。けれど懸命に。

さいごまでしっかりと。


「私もリゼのことを愛しているよ」


先程よりも暖かい眼差しでハイトはリゼに言った。


「伝えてくれてありがとね、リゼ。」


お互いは近づき微笑みあった。


「おめでとうございます」

取り巻きとユリは合わせて言った。微笑ましそうに。


「ごめんなさい、私リゼ様とハイト様を見ていてもどかしくて。実は2人をくっつけるためにかってながら私たちハイト様と一緒に嘘をついてしまいました。」


ユリ様は申し訳なさそうに謝罪した。


だがリゼは最後に言った「ハイトと一緒に」という言葉が気になっていた。


「ハイト様も?」


リゼを見てハイトは言った。


「そうだよ、リゼが私のことをどう思ってるか知りたくて試すようなことをしてしまった。すまない。」


「…謝ってるのに、笑ってる…」






好きだよ、





私もです、





お互いの愛を再確認したふたりは一段と仲良くなった。。。


先程まで雨が降っていたはずの空は満開に晴れていた。。。




完。

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雨との思い出を。 七吉クラゲ🍨 @nanakichi_s

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