第2話
何故だろう?さっきまでは、どんよりと曇った空の下で戦っていたはずだ。死んだと思っていたが誰かに救われたか?そもそもここはど何処だ?そういえば瀬奈はっ?!
「、、、、、、、、、、」
頑張って口を動かして見ても、声が出ない。声帯がやられたか。
「凛くーん、どうちまちたかー?おっぱいがのみたいんでちゅかー?」
ん?誰だ?理解が追いつかない。何が起こっているんだろう?おっぱい?俺は、風俗嬢にでも助けられたのだろうか?こんな会話は、彼女ともしたことが無い。凛くん?誰だそれは?もしかして俺か?俺の名前は、凛斗だ。少し似ているが違う。
「はいはーい。準備は、いいでちゅかー?それじゃあ、頑張ってごっくんごっくんのみましょーねー」
そう言って謎の女は、胸を押し当ててくる。
やっ、やめろっっっ、、、、、!
口に出そうとしても、声が出ない。
「ふふー、おいちいでちゅか?ままのおっぱいは?」
まま?そういえば、1回だけ友達に誘われて、そういう店に行って、そういうプレイをした事があったような気もする。もしかして今は、走馬灯で、あの時の記憶が流れ込んできたとでも言うのか?いやいや、そんなことは無い、だって俺彼女いるし?いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない!状況把握が先だ。
雑念を追い払うが、急激な眠気が、俺の意識を飲み込んでいく。
小さい音と、僅かな揺れで俺は目を覚ます。ふと横を見ると、景色が高速で流れている。新型の馬車か何かだろうか?それにしては音と揺れが小さい。この乗り物は、なんだろう?というか、この女はなんだろう?馬車、では無いっぽいが、乗り物に乗って移動しているということは、さっきの考察は、間違っていたらしい。それに、ずっと抱っこされているというのは、少し気分が悪い。、、、、、抱っこ?この狭い空間で俺を抱っこできる程俺の体は、小さくない。俺が小さくなったのか、それともこの女が大きいのか、確認として自分の体を見てみる。
んん、、?
「ぁあ、、、んぁあ、、、」
「ん?どうちまちたかー?」
やばいやばいやばい。どうしよう、俺の体が赤ちゃんみたいになってる。いや、みたいというか、赤ちゃんだ。どうしよう、ほんとにどうしよう、助けてままー!!!
「ぁあぁうぁああうぁぅぅあ!」
「はいはい、よしよし、怖くないですよー」
そうそう、怖くない怖くない。深呼吸して少し落ち着こう。ふぅー、はぁー、ふぅー、はぁー、少し取り乱してしまった。まずは、なんでこんなことになったかを考えよう。んー、、、転生、、、、、かなぁ、、、?そういえば、転生した人に1回だけあったことがある。確か名前は、孫・ライアン・悟単、、、、と言ったか?本人によると、サイヤ人という人種だったらしい。また、ライアンは、とても強く自由に髪の色を金色にできるのだ。魔法のような攻撃を使うが、魔力は消費せず、気というものを操るらしい。特に、一族に伝わる、かめはめ波という技を見た時は驚いた。俺でもあの威力の攻撃をするのはなかなかにきつい。まあ、この話は置いておくとして、転生というのは、前世の記憶、能力、などを持ったまま産まれてくることを指す。記憶の場合は、先天性記憶残存症。能力の場合は、先天性能力残存症。どちらも持っている場合は、先天性残存症。と、聞いたことがある。発症率は低く、約10億人に1人、確認できていない人を合わせれば、2億人に1人いると言われている。もし俺が、そのどれかだとしたら、この状況にも納得がいく。今はまだ言葉を発することができないが、魔法を使えるか確認しよう。そう思い、空気を圧縮する。魔法を終えた時に、風が少し吹けば成功である。どうだ?と思い目を閉じ魔法を解除する。すると耳の辺りに弱い風邪が吹き少しゾクゾクッとしてしまう。どうやら成功したようだ。だが、正確性は、少し落ちてしまっているらしい。魔法の確認が出来たところで、また眠くなり寝てしまう。赤ちゃんとは、寝たり起きたりとても忙しいようだ。
逆転生物語 kocheldy2594 @koo0904
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