チンコイタイネン。なキャラはたくさん出てくるんだが、ポンコツかわいい姫様がいるおかげで、殺伐とした全てがのどかな物語にまとまる。
ヴァリ様14歳。
かわいい。
ポンコツかわいい。
素晴らしい。
殺伐とした世界がポンコツのどかな風景に変わる。
ザビーネがどれほどチンパンであってもモンチッチに早変わり。
ヘビ姉姫様もセクハラ公爵もメスゴリラ母王もポンコツ姫の前では、トゥルーエンド前の踏んだらバッドエンド直行イベント幻想のハーレム要員に早変わり。
別途観賞用セーブ必須。
チンコイタイネン。
唯一の心残りはヴァリ様お年頃の成長期なのに、遺伝子は仕事しないのですか?
という一点のみ。
まぁそれはそれでチンコイタイネン。
貞操逆転といいながらも、じつは男女の在り方をひっくり返した仮想世界という舞台設定で、二倍以上楽しめる秀逸な「からくり」には目を見張る
タイトルと出だしの軽薄な筆運びに騙されてはいけない
まずは、素のまま字面通りに楽しみ、次に もう一度 男女の立ち位置をひっくり返して楽しむ事が出来る
あとは、個別に性別を入れ替えて 何度でも反芻して楽しめる
例えば、主人公をTSしてマッチョな筋肉美女とし、その主となる姫君を紅顔の美少年 王子様とするだけでも美味しい
その他の登場人物は 男女を入れ替えても、全く違和感がないほど性別が気にならない個性を持っている むしろ、みな立派な漢である
主要な人物だけはそのままに、周囲を取り巻く脇役だけ性別を入れ替えても十二分に楽しめる 姫君に心酔する地方領主や彼女の興した夢のパレードに身を投じる落穂の衆人たちは男女の性別など意味がない
くわえて、男女の在り方が逆転しているという狡猾な世界設定が、創作の苦しみも喜びも知らず無責任な攻撃を起こす いわゆる「性の平等」を僭称する輩の目を塞ぎ、口を封じる
単純にそういう輩は、力無く 愚かで 他力本願な 惰弱な男たちの表現に喜ぶように誘導する筆者の狡猾さがひときわ光る
むしろタイトルや第一話の軽薄な筆運びは、見事な煙幕となっている
このような世界での女性は、我々の世界の女生とは大きく異なる生物なのだろう
月のモノなどという厄介なモノは選択淘汰され、一生に子を孕む機会が僅かで多産は望むべくもないだろうが、食物連鎖の頂点に立つ強者としては、むしろあるべき姿であり、我々の強者でありながら多産が可能という在り方こそ異常といえるだろう
これは深海のギャングたるチョウチンアンコウを擬人化した物語なのだ
まさに逆タイトル詐欺という言葉がピッタリのごん太重厚作品。
現実では中世後期に現れた統制ゆるゆる神聖ローマ帝国時代と、その影響で生まれた面子と暴力の自力救済世界を見事に描いている。
しかも、それをただ詳細に描けば陰惨で重苦しくなってしまう所に貞操逆転という要素が読感に軽さを与えてくれ、単に歴史解説ではないIFの面白みも与えている。
また現実に適応し様々なしがらみに縛られつつも、突き抜けた武と誠実さで状況を切り開いていく主人公は男なら皆が憧れるタフガイであり、しっかり読者として応援したくなるヒーローになっていてカタルシスや爽快感もバッチリ。さらに貞操逆転設定は落差でそれを浮き彫りにしている。
厚く熱い物語が読みたい人にオススメ。