第3話 迎撃①

俺は部屋に入り、LOCにログインをした。

ログインするなり、俺は愕然とした。

何故なら、俺が今日、本気で暴れた場所、そこは、自分のギルドだったからである。

床は、ボロボロ、壁なんて、なん部屋も突き抜けている。階段もぶっ飛んでるから、二階には行けない。俺は、ため息をつきながら、ギルドを出た。

メニュー画面を開くと、プレゼントボックスに、ワクチンが入っていた。それと、完全回復薬、戦闘で役に立つ、エナジーシールド、

光学迷彩マントが入っていた。

特に、エナジーシールドと光学迷彩マントは、廃課金者でも手に入れるのが、難しいアイテムだけに、ちょっと得をした気分だ。

アイテムを確認して入いると、萩原さんから連絡が入った。

「ワクチンとアイテムの方は無事に届いたかな?」

俺は、無事に届いた事を伝えた。

「ところで、マザーと接触するにはどうすればいいんだ?」

「残念だが、まだ居場所が特定出来ていないんだ。」

「大丈夫。進展がありました。」

「また、盗んだアカウントか?」

俺の前には、赤い目をした、フードの男が立っていた。だが、さっきとは、違う点があった。俺はこの男を知っている。

俺と同じ、ドラゴンスレイヤーの称号を持つ男だ。確か名前は……OZE(オゼ)だったはず……

OZEが槍を構えると、俺は,自分が追尾型の魔法にロックオンされいる事に、気がついた。

マジ!?一対一じゃないの?せこっ!と思いつつも、この追尾型魔法弾が、囮だと気付いた俺は、剣で叩きで叩き落とした。が…しかし、今度は、地面に魔法陣が出てきた。

マジ?これ?アイスクエイクじゃね?

OZEから、一瞬目を離した隙間に、今度はOZEを見失った。俺は、アイスクエイクが放たれる、一瞬を見破り、アイスクエイクの魔法陣から抜け出した。クエイク系統の魔法は、術者が高位だった場合、撃つ直前まで、座標の変更が可能だから、逃げ回っても意味がない、撃たれるその瞬間の、脱出じゃないと意味がない。

回避前転から起き上がろうとすると、俺の探知スキルが上を示した。OZEが上から、急降下で落ちてくる、ドラゴンスレイヤー固有スキル、ドラゴンダイブで突っ込んできた。

このタイミング?避けれられない。万が一直撃はかわせても、衝撃波でぶっ飛ばされる。

だが、俺に焦りはなかった。何故なら、俺には、エナジーシールドがあるからだ。俺はエナジーシールドを展開した。

カーンと音がして、OZEは何事もなかったように、地面に着地した。

……あれ程の威力のある攻撃なのに、カーンだけ?……まるで、スキルを使って無かったような反応だな。

また、追尾型魔法弾が飛んできたが、これも何事も無かったように消えた。

…なるほどね。これは後々使えそうだな。

とはいえ、目の前には、ドラゴンスレイヤー、見えない所からは、高位のはウィザードからの攻撃。

このまま戦っても、ジリ貧なのは目に見えているな。

その頃、萩原はこの状況を車内から観ていた。

「不味いな、あのウィザード、定石通り高位スキル、ハイドを使用して、多武峰君からの探知スキルから、逃れている。」

萩原は、スマホを取り出し、本社のメンバー連絡をとった。

「今すぐ、多武峰君のアカウントにEXスキル(エキストラスキル)、サードアイを取得させてくれ。」



EXスキル、サードアイを取得しました。

「何???どういう事だ」

だが、検討はついた。

「サンキュー、萩原さん、これで戦える」

俺は早速、サードアイを使用した。

「このスキル、ヤバっ!ハイドで隠れてる相手も丸見えじゃん。」

俺は固有スキル、ドラゴンナイトを発動させて、レッドドラゴンと一体化した。

ドラゴンナイトは、CT(クールタイム)も1時間と長いが、変化中は、常にHP、MPを消費してしまう。だがら、普段はここぞというタイミングでしか使わないが、今日の俺は違う。何故なら、運営から頂いた、完全回復薬がたんまりあるからだ。

「真・紅龍剣」

俺がスキルで、さっきからうるさい、OZEを黙らせ、その隙にウィザード達の迎撃に向かった。

俺は、丸裸になったウィザードを、一瞬で倒した。

次の瞬間、俺はぶっ飛ばされた。

サードアイと探知スキルに、ドラゴンナイトの反応速度でも、気付かずに、もろに攻撃を食らった。

それもそのはず、相手もドラゴンナイトになっていたからだ。

俺は急いで、完全回復薬を飲んだ。

OZEの方を見上げると、OZEの身体は、青いオーラを纏っていた。

「くそ、OZEも使いやがったか。」

OZEが再び、ドラゴンダイブで突っ込んできた。

「バカの一つ覚えみたいに、ダイブばっかり使ってんじゃねーよ。」

俺はそう言って余裕でかわすと。

「さっきの仕返しだ。」

「真・紅龍剣」

真・紅龍剣を、OZEの背中にクリーンヒットさせた。

だが、あまりダメージはなさそうだ。

やはり、同じドラゴンナイトだと、極技じゃないと、ダメージが入らないか、だが、極技を使うと、ドラゴンナイトは、強制解除となってしまう。どうしたものかな……

「真・蒼龍波」

「真・紅龍波」

お互いの技が相殺しあう、無駄な時間が続いた。

激しい鍔迫り合いの後、OZEを蹴飛ばし、一旦距離を置いた。

OZEの身体から、青いオーラが消えていった。

OZEのドラゴンナイトが解除されると、ここぞとばかりに、俺は、もうラッシュを決めた。

OZEが消えていくのを確認すると、俺もドラゴンナイトを解除した。

聞こえますか?多武峰君。

俺のボイスチャットに、萩原さんが話しかけてきた。

「多武峰君が、OZEを倒したお陰で、半分位のアカウントを、取り戻す事ができたよ。ありがとう。」

「ピーチは?桃花の方は?」

「残念だが、奈良坂君まだなんだ……」

「そうですか。わかりました。」

「多武峰君、さっき本社から連絡が入ったんだが、もう、LOCの大半のシステムは、マザーに乗っ取られてしまったみたいなんだ。マザーも恐らくは、ここを多武峰君との決戦の場と決めたのだろう。十分に気をつけてくれ。」

「それと、奈良坂君にVRゴーグルをセットする事ができたよ。こんな事件にあったのに、彼女に再びVRゴーグルをセットするのは、不可能だと思ったけど、まさか、お父様が、あの方だとは思わなかったよ。」

「そうですね。今、桃花は母方の性を名乗ってますから、気がつかなかったのでしょう。」

しばらく会話をしていると、

!!!

「どうやら、次のステージにご招待されたみたいだね。」

「ああ、次のステージもクリアして見せますよ。」

そう言って俺は、目の前に現れた、移動ポータルに入った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

レジェンドオブクロニクル @-kuroinu-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ