第2話 襲撃-2

LOCからログアウトをすると、桃花に連絡をしたが、連絡が繋がらない。

嫌な気配がした俺は、隣の桃花の家に行った。チャイムを押すと、桃花のお母さんが出たので、

俺は慌てた顔で、「桃花は?」

そんな俺の顔に驚いたのか、桃花のお母さんは、びっくりした顔で、「桃花なら上にいるけど…どうしたの?」

俺は、ノックもせずに、急いで桃花の部屋に入る。その瞬間、二人の顔は処理が追い付かなくなったPCのように、固まってしまった。まさに、お着替え中だったのだ。

顔を真っ赤にして、

「乙女の部屋に、ノックもせずに入るとは、いい根性してるじゃないの(怒)」

衝撃的な物を見て、固まっている俺に、桃花は、付けていたVRゴーグルを投げた、瞬間、桃花の意識は途切れて倒れた。

「えっ?なんの冗談?」頭がさっきよりも真っ白になった。


次の瞬間

俺は必死に、桃花を抱き抱えて、桃花の名前を叫んだが桃花は目が覚めなかった。後ろで、コップの割れる音がした。後ろには、ジュースを持ってきてくれた、桃花のお母さんいた。

桃花を病院に搬送して、病院の待合室で待っていると、LOCの運営から連絡がきた。

どうやら、直接俺と会って話がしたいので、会えないだろうかという相談だった。

俺も、桃花の事を聞きたかったので、俺の自宅で話をする事になった。

夜、チャイムがなり、玄関に出ると、運営の萩原という男と、この男は、LOCプレイヤーなら、誰もが知っている。仮想現実の作った一人だ。そして後ろに、もう一人黒いスーツの男がいた。俺は、二人を自宅に招き入れた。

部屋に入り、萩原は頭を下げた。

「こんな事になって、本当に申し訳ない。そして、一時的とはいえ、マザーを止めてくれて、ありがとう。」

マザーとは、様々な仮想現実を繋ぐ、人工知能で、全ての仮想現実は、このマザーと繋がっている。

「今回の事件は、マザーの暴走が原因なのですか?」俺は、萩原に質問した。

「今回だけではない。今起こっている、仮想現実の事件、全てがマザーの暴走によるものなんだ……」

「全て?一体今回みたいな事が、何件起こっているのですか?」

黒いスーツの男が口を開いた。

「君はニュースも観ていないのか?」

…そういえば、桃花もなんか言ってたような…

「ていうか、そんな危ない事件が起こってるなら、最初から、ログイン出来ないようにすれば、よかったのじゃないですか?」

萩原は、難しそうな顔をしていた。

「多武峰君も知っていると思うが、多武峰君が行っている、VR高校もマザーがと繋がっていて、マザーが管理しているんだ。嫌、この日本の社会は、今や全てと言っていいほど、マザーと繋がっているんだ。」

萩原は続けてしゃべった。

「それに最初は、アイテムがなくなったり、アカウントを取られたり、本当に些細な事だったんだ。」

「それが、次第に大きくなり、異変に気付いた、我々は対策チームを編成して、仮想現実の内部と現実世界からの外部から、異変を止めようと行動を起こしたが、内部の方は、完全に返り討ちにあった。」

「その結果、外部からの方は上手くいって、マザー本体から、暴走の原因となった、ウイルスは切り離せたのだが、内部(仮想現実)からの方は、返り討ちにあってしまい。より力を与えしまったのだ。」


「内部の方は、何で失敗したのですか?」

俺がそう言うと、黒いスーツの男が返事をした。

「内部に送りこんだ者達は、皆優秀な人材だ、さらにその中から、VRゲームをプレイイしているメンバーを選んだんだ。だが、マザーの前では無力だったのだ。」

俺は、萩原さんの方を見ながら、

「内部メンバー人選に、萩原さんが関与しなかったのですか?」

萩原が、申し訳なさそうに答えた。

「申し訳ない。私が…」

黒いスーツの男が会話に割って入った。

「危険な任務になる、民間人にやらせるわけにはいかなかった。それに選出したメンバーは、VRゲームの精通しているメンバーだ。」

「VRゲームというのは、VR適正という物事があるのです。いくら、現実世界で、最強のボクサーでも、VR適正が低いと!素人にも負ける事があるのです。」

俺は、何も知らなさそうな、黒いスーツの男を睨んで言った。

「後、実際に戦った意見からすると、このVR適正と、そのキャラをどんだけ、使いこんでいるか、そこが一番大事になってくると思います。」

萩原がうなずいた。

「だから、唯一、多武峰君だけが、マザーに勝てる事が出来たのだ。」

急に、萩原さんが土下座を始めた。

俺は、唖然とした顔になった。

「もう、我々に残された希望は、多武峰君だけなんだ。危険は重々承知の上でお願いする。もう一度、LOCにログインをして、マザーのウイルスを、倒してきて欲しいだ。そうすれば、きっとマザーウイルスに侵食された、プレイヤー(アカウント)も戻ってこれるはずだから。」

「頭も上げてください。あいつは、俺の一番の宝物を奪った。だから、それを取り返しに行くだけですよ。」

俺は、一切の迷いもなく言った。

「ありがとう。奴を消滅させる、ワクチンは開発済だ。LOCにログイン後に渡せるように手配する。」

萩原さんに、ひとつお願いがあります。

「桃花にVRゴーグルをセットして、起動させておいて下さい。」

「わかった。だがどうしてそんな事をするのだ?」萩原は、不思議そうな顔をした。

「あいつは、うちのギルドマスターだからです。それ以外に理由はありません。」

俺はそう言って、LOCにログインを始めた。

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