レジェンドオブクロニクル
@-kuroinu-
第1話 襲撃
2050年。21世紀になり、半世紀もたったが、車が空を飛ぶわけでもない、巨大ロボットが戦争したり、月面旅行や火星旅行なんかもありはしない、只,この半世紀で大きく変わった事がある。ネット世界の変化、仮想空間の実現だ。
母親からのメッセージで、起こされると部屋を出て、洗面所で顔を洗い、朝食を食べる。
当然、今の時代、一般家庭でも、オール自動ドア、水道だって自動、トーストは手動で焼く。流石に、パンを袋からだし、トースターに入れる行為を、自動化には出来なかったみたいだ。朝食を食べ終ると、自分の部屋に戻り、パソコンに繋いだVRゴーグルをかけて、VRスクールにログイン(登校)した。
2-Aサーバーを選択して、教室に入ると、隣の席の女に声をかけられた。家が隣で、幼なじみの、奈良坂 桃花だ。ピンクのロングヘアで小柄な感じのアバターだ。
「ねぇ、ニュースみた?」
「ニュース?観てないな。」
「高校生なんだから、ニュースぐらい観なさいよ」と呆れ顔で言ってきた。
「それより、今日はギルドバトルの日だから、時間に遅れるなよ。マスター」
「はいはい 、わかってますよ 。サブマスさん」
VRスクールが終わり、ログアウト(下校)すると、続けて、レジェンドオブクロニクル(LOC)にログインする。ほぼ同時に、桃花もログインしてきた。
「おっ。何時観ても、これ見よがし付けている、ドラゴンスレイヤーの称号はカッコいいですね。」
いつも、ちょっと小馬鹿にした感じで言ってくる所が、腹が立つ。
「うっせわ。とりあえず、ギルドに向かうぞ。」
そう言って俺たちは、湖畔の一等地に建てた、マイホームをから出る。
マイホームから出ると、きれいな夕日が、湖畔を照らしていた。
「相変わらず、ここの景色は最高にキレイね!」
「そうか?」俺のそっけない返事に、桃花がローキックを入れてきた 。
俺達は近くに待機させていた、レッドドラゴンに乗り、ギルド本部がある街を目指した。
ドラゴンに乗るには、ドラゴンライダーのスキルが必要になってくる為、スキルがない、桃花は俺の背中に、ぴったりとくっついて、手を俺の前に回して、抱きついてきた。
「どう?女子高生の胸の感触は?」
「鎧が邪魔で何も感じねーよ。」
「言ってくれれば、外したのに。」
そう言うと、胸のプレートアーマーを外した。
「これでどうかな?」ちょっと頬を赤らめ言うと、
「変だな…」
「何が変なのよ!」そう言って、抱きついていた手で、首を絞める。
「苦しい…違うよ…誰もいないんだよ。」
「誰もいない…」
ドラゴンの背中に乗っていて、よくは見えないが、ギルドの周りはおろか、街にもプレイヤーの姿が見えない。
とてもじゃないが、これからギルドバトルが始まる雰囲気ではない。
俺は、ウインドウを開いて、ギルドメンバーのログイン状態を確認したが、誰もインしていなかった。
俺たちは、レッドドラゴンから降りて、ギルドの中に入った。
入って直ぐに、俺たちの感知スキルに反応があった。
「何?敵?」
「落ち着け!」
その瞬間、螺旋階段の吹き抜けから、一閃の光が走った。ドーーンと衝撃波と同時に、光は俺に向かって飛んできた。
俺は咄嗟に、剣を抜きガードをした。
壁を壊し、隣の部屋まで吹っ飛ばされた。
「えっウソ。戦斗君がぶっとばされた!?」
吹っ飛ばされた衝撃で、画面が一瞬ホワイトアウトするが、直ぐ様反撃に出る。
「真・紅龍波」
鋭い炎の斬撃が龍のような形を作り、敵をピーチ(桃花)のいる部屋の壁まで吹っ飛ばす。
ピーチは、真・紅龍波が来るのが見えて、慌てて上のフロアに飛び移る。
「ありえないんですけど、私がいるのに、そんな強力なスキル使うなんて、巻き込まれたら、どうするんの?」
瓦礫をのけて、元の部屋に戻った俺にそう言いはなつ 。
「ピーチを信頼してるから、撃ったんだ。
ピーチなら避けられるだろ?」
「まぁね。私なら余裕よ、余裕。」ピーチは、ちょっと照れ臭そうに言った。
その瞬間、瓦礫が吹き飛んだ。
「なるほど、最強ギルドの一角の、サブマスターと言うだけの実力はあるようだな。」
そこには、赤い目をしたフードの男がたっていた。
「不意打ちした挙げ句、吹っ飛ばされておきながら、何言ってるんですか?」
眉をひそめながら、はぁ?という顔をしながら、上のフロアからピーチが飛び降りてきた。
「下がってろ。こいつはまだ俺の獲物だ。」
そう言って、俺は剣を構えた。
「この武器では、部が悪いな。」そう言って、フードの男が武器を変更した。
「なっ!」
「えっ!」
俺とピーチは驚きで声が出てしまった。
ず、フードの男が出した武器は、魔剣グラム
「どうして?お前がその武器を持っている ?」
「ほう!この剣の前の持ち主を知っているのか?」
「当然よ。うちとライバル関係になるギルドマスターの剣だから。」桃花が答えた。
「なら、答えてやろう」
「奴と戦い勝った、そして奪ったからさ。」
「奪う?武器を奪ったのか?」このゲームには、相手の物を奪うシステムなんかない。
「アイテムではない。アカウントだ。」
「アカウント……」ピーチが驚いた顔で…
「まさか、あなた、今ニュースになってる、アカウント泥棒?」
「アカウントを奪う?」長い時間をかけて、育成したアカウントを奪う。俺にはそれが、どうしても許せなかった。
ピーチが俺の顔を見て、固まった。
こんなに怒った顔をした、戦斗を始めてみたからだ。
「どうやったのかは知らないが。最早、貴様に言葉など必要ない。」
「来い、レッドドラゴン 。」
レッドドラゴンが、炎の化身と化して俺の体に宿る。
ドラゴンスレイヤー固有スキル
ドラゴンナイトを発動させた。
「極・紅龍剣」
俺の身体全体を覆ってた、炎のオーラを全て、剣に集中させた。灼熱の剣を俺は構えた、その瞬間フードの男に斬りかかった。
フードの男も魔剣グラムで対応するが、たった三回の打ち合いで、魔剣グラムは折れてしまった。それもそのはず、あれだけのオーラを纏った剣を、魔剣とはいえ、オーラを全く通わせいなかったので、あっという間に耐久値がオーバーしたのだ。
次の瞬間、俺はフードの男の身体を、真っ二つにした。
「倒したの?」そう言って、ピーチが駆けつけてきた。
「多分な。」
すると、運営から連絡が入った。
運営が言うには、とりあえず、ログアウトをしてくれと言ってきた。
俺たちは、運営の言われるがままに、LOCからログアウトをした。
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