忘れかけていた懐かしい想い出と共感の世界

小さかった頃、何度も同じ夢を見ました。内容はいつも全く同じ。

体が突然、軽くなって天井を抜けて、屋根も抜けて空に昇って・・・最後は地面に落ちる。

暫く歩いて近所の池に落ちて底へ、底へと潜っていくと自分の家があって家族が皆外に出て手を振っている。

でも家の前に立つと誰もいなくて戸を開けて中に入ったところで眼が覚める。


大人になるにしたがってそうした夢を見なくなりましたが還暦を過ぎた今、時折、また昔の家族の夢を見るようになりました。

子供達も独り立ちして妻と二人暮らしですがいつかまたあの夢を見るんじゃないか、あの世界に戻っていくんじゃないかと思ってみたりします。

この作品を詠んだ時、耳の奥からサラサラと切なく懐かしいエレジーが聞こえてくるような気持ちになりました。

自分にはこのような小説はとても描けません。
自分は年甲斐もなく思春期に憧れたファンタジー小説を書いている状況です。
貴女の描くこの儚い世界とは寸毫も交わらない物理的な世界です。

でも何処か共感を覚えました。

長々とすみません。どうかこの世界を大切に描き続けてください。

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