クローズドサークル、魔法少女、デスゲーム。友情、百合、裏切り、血の匂い
- ★★★ Excellent!!!
正義のために、弱き人のために戦う魔法少女。
魔物という、普通の人の目には見えないモンスターに抗う力を持つ。
髪の色、目の色、戦闘衣装、性格、固有魔法。
十人十色。カラフルでワンダフル。
キャラクター豊かな魔法少女が13人。
彼女らが謎の館に集められ、自由に殺し合う殺戮のデスゲームに巻き込まれます。
魔法少女が皆それぞれ持つ多彩な固有魔法。
それらを駆使して、魔物どもを蹴散らすように、力で制圧すれば良いか?
これはそんな簡単な、横暴な、野蛮なゲームではありません。
人の目を避けて、誰の仕業か分からないように殺す。
様々なルールを守り、極めて紳士的に命を蹂躙する。
他者に罪をなすり付け、自らの穢れを偽りで彩る。
そんな知的で夢のある、魔法のような非日常体験。
ひとたび殺人が起きた瞬間から、
犯人は逃れるための、村人側は生き延びるための、
捜査時間が少しだけ、与えられます。
殺し、逃げおおせた人には悪の祝福と夢の実現が、
正しい殺人者を糾弾した人には、生存の許可を与えられます。
他者を殺し、自らを守るか。
他者を尊重し、地獄を生きるか。
魔法少女としての、『正義』を試される試練。
荒地に僅かな希望を持ち寄り、信頼を築き上げるか。
心の隙間に悪を潜ませ、欲のために他者を蹴落とすか。
どちらが簡単で、どちらが険しい道のりかなんて明白。
ただ、これだけは言わせていただきましょう。
最後に生き残った人が、『正義』ですよ。
自らの『正義』を証明するために、魔法少女は挫けない。
そんなこんなで、この物語。
ミステリーファンなら垂涎の的でもある、
『読者への挑戦状』が楽しめます。
登場人物たちが自らの『正義』を証明するために、
知恵を搾った悪行を、
なんの力も持たない僕たちが、
「悪い子だねぇ」「これで隠したつもりかい?」
と、横槍を入れるイベント。
あぁ、間違えました。
この物語の作者が、自らの『構築した謎』を証明するために、知恵を搾った悪行を、
なんの力も持たない読者こと僕たちが、
「悪い子だねぇ」「これで隠したつもりかい?」
と応援コメントで震えさせるイベントです。
作者にダイレクトダメージを与える良い機会です笑
最終的な推理コメントは、ネタバレになる可能性があるので、それぞれのチャプターの『読者への挑戦状』ページにコメントすることにしましょう。
『読者への挑戦状』は、問題編の中に、僕たちが推理をして、犯人当てができる最低限以上のヒントが、きちんと明記してある、フェアな勝負です。
フェア、と言っても、作者側のスキルは強固です。
場所も登場人物も被害者も犯人も全て用意できる。
弱点も心臓部も全て書かなければなりませんがね。
それらを紛れさせる防壁、要塞、罠を掻い潜り、
ミスリードとスケープゴートを選り分け、
真犯人の肩に手を置き、「さて」と耳元で囁く。
チャプター1の舞台は整いました。
さぁ、楽しく愉快な、血も凍る殺戮の舞台。
僕たち読者もまた、最低限のルールを守り、
彼女たちの歪んだ『正義』の顛末を見守ることにしましょうか。
『正義』のために戦う魔法少女。
『正義』とは一体何なのか。
自分たちが何のために戦っているのか。
それを証明するには、生き残るしかありません。
『どんな』ことをしてでも、生き残るしかありません。
最後に生き残った人が『正義』です。
※なお、『正義』の概念は、作者と僕とで違う場合があります。各々の『正義』を持ち寄って、お読みください。