冒頭の姉結子の日記から物語に引き込まれ、一気に読ませて頂きました。血の繋がった姉と弟の恋愛『禁忌』とも言われる物語を、戸惑い、葛藤、切なさ、そして喜びと、心が激しくざわめき揺れ動く物語に最後は涙が溢れてしまいました。『禁忌』だと分かっていてもどうしようもない人間特有の感情が、見事に描写されていて、2人の物語を追うごとに応援してしまっている自分がいる。そんな切なく考えさせられる物語です。
”真実の少し暗い瞳に、結子はふと恐ろしさが甦った。この弟に好きだと言われ、抱きしめられた夜の恐怖。恐怖と、もう一つの何か。”この小説には大人をぞくりとさせるフレーズが散りばめられています。…続きを読む
1話目を読んだとき、淡々とした語りの底に熱を孕んで沈んでいる感情があるなあ、と魅力を感じました。読み進めるうちに止まらなくなり、一気に読み終えました。ぜひ多くの方の目に読んでいただきたい作品です。…続きを読む
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