ファンタジーとあったけど、舞台は江戸と明治の転換期くらい?
コメディタッチな時代劇感覚で楽しめます。
軽妙な文章に挟まれる比喩や情景描写は読んでいてすとんと胸に収まり気持ちがいいです。
それぞれの前職(笑)の経験を活かして課題や事件解決に挑むのも良い。
行動力と決断力が高い所が困るけど時に頼れる龍さん。
根は真面目で料理人としての自覚が開花しつつある気遣いの人虎さん。
抜け目ないのに三人の中では何故か苦労人なツッコミ役の蛇さん。
それぞれ元は碌でもない悪党たちだったと思いますが、あっちが突っ走ったらこっちが引っ張り、こっちが暴れたらそっちが取りなし、そっちが悩めばあっちが励ましと、丁度よく収まったデコボコトリオの掛け合いが面白いです。
これからようやく第二章の開店に入りますが、今後も彼らを待ち受ける珍妙な日常に期待しています!
元山賊と、元人斬りと、元詐欺師。ある日ある辻でバッタリ出会い、意気投合して茶屋を開くことになった。
……え、何故に?
と、突っ込んではいけません。
この作品は落語や狂言のような雰囲気があって、でも妙に現代的な要素も混じっていたり。その不思議な空間ごとお楽しみください。
なんたって、この茶屋には、不可解なことが次々と起こるのですから……。
足を洗って、三人力を合わせてお店を切り盛りする元・悪者たち。でも、長年染みついたものはそう簡単には抜けません。あ、ちょっと? 悪い人の顔になってますよ!?
なんて、物騒なときもありますけど、根はいいやつらなんです。
さてさて、不思議なお茶屋さんと元悪者たちの騒動は、一体どうなりますことやら。