第10話
俺は自らの発言と行動を呪った。
現在から遡ること約1日前。
俺は罰ゲーム告白をウノで負けたせいで好きでもない幼馴染、林ユーコにする羽目になり、
ユーコのやつは、それをマジ告白だと勘違いした。謝ったけど、解ってもらえなくて
俺は、「上付けない、下はかない女が好みだ」と言って逃げようとしたんだけど、無理だった。
その条件。
彼女はのんでみせたんだ。
そして、その条件をもう一人の女がのんでみせた。
俺の好きな女、ポニーテールの小柄な女子、ミドリだった。
ユーコへの罰ゲーム告白の現場も見られ、更に
ユーコとのキスシーンも目撃され、更に
上付けてない、下はかない女、という条件も
聞かれてしまった。
その後、二人して俺に迫って来たから
事は大変厄介だった。
朝方、バイキングに行く前のこと。
二人に、履いてたショーツを渡された俺。そのショーツはカバンの奥底に隠したのだが、
食事は喉を通らなかった。
女の子二人のスカートのしたが気になってしまってだな。
友達ユーマが心配してくれていた。
「どした?お前、食欲ないのか?
全然、プレートに食い物のせてないじゃないか!!」
「ああ...それがな」
「物が喉を通らないんだよ」
「どーしたんだよ!それならスープくらい飲めよ...!全然食べないんじゃ、班行動の最中に倒れても知らねーぞ!」
俺がテーブルの前で、一応持ってきた食べ物を前にしてグッタリしてると、一人目のノーパン女、林ユーコがやって来た。
「シンジ、どしたの!?
食べないの!?私が、ほら、口開けて、あーん!とかしてあげよーか??」
「や、やめろ...」
俺が学年一の美少女にして、
幼馴染を前にして困っていたら。
続けて、二人目のはかない女、ミドリまで、
やって来ちまうから、もうタチが悪い。
「シンジくん!私が、あーん?って
してあげれば、喉通るかな??」
とガチな心配顔されたから、俺は
無理矢理、自分の手で食べ物を押し込んだ。
そして言ったんだ。
「大丈夫!ほっといてくれていいよ...!」
「ちぇ、つまんないの...!
じゃあさ、シンジ、今夜、宿に戻ったら、
私がシンジの部屋いくわ」
「そしてシンジの布団に潜り込んじゃう!」
かなり小声だが、二人目のはかない女で、
俺の好きなミドリにもこの台詞は聞こえてた。
ミドリは流石にビビっちゃったみたいで
何も言わずに、逃げるように俺の前からいなくなったのでした。
そんな経緯があって。
今、俺の布団の中にユーコがいるわけだが。
俺はユーコに手をださないと決めてた。
幼馴染がそばにいたが、必死に我慢したんだ。
「シンジ、手を出してくれていいよ...?」
「うう...」
「我慢しなくていいよ?」
俺は耳を塞いだ。
ユーコのやつに右手を掴まれ胸に誘導されたが、
断固としてもとの俺の身体の上に引っ込めたんだ。
そうやって耐えて耐えて、時間が過ぎるのを
待ち、やがて俺は睡魔に負けて寝たんだ。
朝方、ユーコはふくれ顔で女子部屋に戻って行った。
修学旅行後。
俺は幼馴染を強く意識するようになった
やたらとぐいぐいくるし、
スカートの下履かないというはたまにだが、実行しているらしかった。
高嶺の花だと思ってた美少女は
一緒に布団の中で寝てみて
すぐ近くに感じた。
それでも、俺はミドリのことが好きで。
そんなこんなしてるうちに、半年以上が過ぎて、2月14日、中学最後の
バレンタインデーが来てしまい、
幼馴染ユーコは手作りチョコ。
ミドリは高級チョコをくれた。
ミドリがユーコが生徒会の用事だとかで、
俺のそばにいないときを狙って
校門のところで、
「シンジくん。手作りチョコをちょっと
味見させてくれない?それから途中まで一緒に帰ろう」と
言ってきたので、
俺はこっそり帰り道にあげた。
「美味しいね、これ、、、買ったやつみたい」
その味にどうやらショックを受けたらしかった。
「私、頑張って女子力あげる!!」
「あのね、山吹くん!明日からお昼ご飯持って来なくて大丈夫だからね!」
「料理苦手だけど、トライしてみる!」
と宣言し、
この翌日から俺に
お弁当を作ってきてくれるようになった。
次の日の朝。
登校すると俺の教室にやってきたミドリ。
ユーコに見つからないように、
やたら、こそこそしていた。
それにしても。
手に傷をつくってる。
絆創膏だらけだった。
ミドリはどうやらかなり不器用らしかった。
対して。
幼馴染の林ユーコはなんでもできる女子で。
成績もオール5だって前に話してくれたことがあった。
だからこそ、味の良い手作りチョコもなんなく作り、自信をもって俺に渡したのかもしれなかった。
目の前の女は、幼馴染のユーコとは違うが、
俺にとって滅茶苦茶かわいい女子だった。
手作りではないにせよ、高価なチョコ。
喫茶店のバイトのシフトを可能な限り、増やしてそのお給料をはたいてデパートで購入したと
話してくれた。
そんなところとか、俺のために作った
指の傷が、日に日に増えていくのを見て、
愛おしく、かわいいな、という想いがふくらんでいった。
時流れて。
やがて、卒業式の日。
ユーコが、俺のところに第二ボタンをもらいにきた。
「シンジー!第二ボタン、わたしに頂戴!」
でも、そのときには
俺の制服の第二ボタンはもうなかった。
なんでって?
俺の第二ボタンは、既にミドリにあげていたから。
このとき。
俺はユーコに心からの謝罪し、
ミドリと晴れて付き合うことになるのだった。
罰ゲーム告白をマジ告白だと勘違いした高嶺の花の幼馴染→「好きって言ったんだから付き合いなさい!」取り返しがつかなくなった俺は ノーパン、ノーブラの女が好みだと言ってみた。すると.... 雲川はるさめ @yukibounokeitai
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