第9話
さて、時流れて。
2日目の京都奈良の修学旅行を終えて
1日目の夜と同じ旅館に戻ってきた
俺ら山梨県のとある中学三年生の一向は
夜九時の消灯時間が近付いていた。
俺の名前は山吹シンジ。
五人ほどの男子部屋で俺は布団に潜り込み、
寝ようとしてた。
その時だった。
トントン。
ノックの音がした。
「おい、シンジ。おまえ、一番、入り口に近いところで寝てるんだから、起きて戸を開けてやれよ」
「あ、ああ」
疲れていて滅茶苦茶眠いし。
起き上がりたくない所存だったが、
仕方なし起き上がる。
そして、鍵を開け、
ドアを開けた俺は眠気が一気にふっとんだ。
俺の幼馴染の林ユーコが目の前にいた。
「うげっ」
思わず漏れた変な悲鳴。
それもその筈。俺に耳打ちしてユーコのやつが
言う事には。
「こんばんは。シンジ。
朝の約束通り、パジャマ一応着てるけど。
今、上 付けてないし下も履いてないのよ」
「ば、バカ....」
「部屋に入れてくれない?
先生に見つからないうちにさ。
そろそろね、先生たちが見回りに動く時間だからさ...」
「いや、本当に男子部屋に来るとか、さすがにヤバイだろ。い、いますぐ、女子部屋に戻れ!」
「嫌よ」
「今夜はここで寝るわ。
てか、シンジと一緒に寝る」
ユーコは俺の制止を聞かず、
さっきまで俺が寝ていた布団がはだけていて、
その場所に寝転がると、布団をあたまから被ったのだった。
「お、おい...!」
周りの男子は呆気に取られつつも疲れているため、俺に加勢して、
「女子部屋に戻れよ」とは
言ってくれなかった。
友達のユーマは、
「ま、いんじゃね」と言い残し、
「おやすみ、シンジ」とユーマは
日和見的な態度でそれから少しして、寝息を立てて寝てしまった。
他の奴らはもう。
完全に爆睡してた。
やがて、またノックの音。
トントン。
俺は即座に戸を開けた。
「消灯時間だぞ。大人しく明日に備えて眠るように」
今度は担任の山田先生だった。
「は、はいっ!!」
ユーコが寝てるため、布団はややこんもりとしているが、別にみんながカードゲームで遊んでいたわけではないので、山田先生が俺らの部屋に入ることもなく別段疑われずに済んだといえる。
山田先生は、
「おやすみ」と言い残し、
部屋から出て行った。
さて。
問題はこのあとだった。
俺の寝る布団が。
学年一の美少女でなんでもできる才色兼備の幼馴染、林ユーコに侵略されてしまった
件について。
しかも彼女が、上付けない、下はかないで
やって来てしまった件について。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます