9

北口の喫煙所の前にせいちゃんは立っていた。

ぜーぜーと息をする私にせいちゃんは「そんなに急がなくてもいいのに」

と頭に手をぽんぽんとしてくれる。

「だって……だって……」

まだゼーゼー言ってる上に私はニコチンがダメなのでせいちゃんが手を引っ張って道路を渡って歩道に出る。

「どうする?飲み屋とかいってからホテル?」

たいてい飲み屋とホテルは一セットになっていた。

私ははー、っと一息ついて

「ホテル即行きたい!!」

とかなり大きな声で言ってしまった。

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「私」が「私」であるために 青星円 @riheko

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