皆、家族

こびと

始まりの日(男子組)


朝7時。


高校生になる男女16人が住まう家はあちこち大騒ぎになる。


「さっさと起きろー!」


起きないメンバーを叩き起す声が響いたかと思えば、食事の準備の音がしたり、寝ぼけつつな会話が聞こえたり、洋服を選ぶ女子組の喋り声が聞こえたり、探し物を探す声がしたりと2度目だが朝から騒々しい。


「ネクタイ大丈夫かな…」


なんて洗面所の鏡の前でゴソゴソしているのはティモシー。

ティモシー・デイビス、愛称はティミーで、アメリカ人なのにどこか日本人に居そうな雰囲気の顔をしている。


「気にし過ぎると永遠に終わらねーぞ、ティミー」


気にしているティモシーを笑って弄るのはオリバー。

オリバー・エドワーズは気の優しそうなぽっちゃり系男子で、歯並び矯正中。


「俺とか秒で準備終わったぜ?」


そう言って、ひょこっと顔を出しながら笑っているのはニコラス。

ニコラス・マルティネスは仲間内では縦にも横にも1番大きな黒人男子で、優しい巨人という言葉がぴったり合う。


「流石に秒は早えーよ!」


ニコラスにツッコミを入れながらゲラゲラ笑うオリバーと、それにつられて笑うティモシー。


「洗面所まだかー?」


と顔を覗かせたのはジェイムズ。

ジェイムズ・ブラウンは細身の黒人男子で、ドレッドヘア(ドレッドロックス)がチャームポイント。


「あぁ、もう終わったから出るとこだったんだよ、ごめんね」


申し訳なさそうに謝るティモシーに、ジェイムズは笑って「別に謝らなくていいだろ」と言いながら洗面所に入る。


そしてティモシー、オリバー、ニコラスは楽しげに話しながら洗面所を後にした。


「今日も1日何事も無けりゃ良いなー」


3人が去った後、ジェイムズが鏡とにらめっこして髭を剃りつつ呟いた。


「多分何もないだろ、今日も明日も」


唐突に現れたのはアレックス。

アレックス・ロドリゲスは細身の褐色系男子で、短髪ツーブロック。ちょっぴり童顔系でもある。


「Oh Fuck !」


アレックスがあまりにも唐突に登場したため、ジェイムズはびっくりし過ぎて叫んでいた。


「何かあったのかい、ジェイムズ」


そんなジェイムズの叫び声に、びっくりした表情のミハイルがひょこっと顔を出した。

ミハイル・ベイリー は面長系眼鏡男子で、眼鏡キャラ通り(?)真面目なしっかり者だがいじられキャラである。


「あいつが急に現れやがったから驚いたんだ、すまん」


ジェイムズが申し訳なさそうにすれば、ミハイルは何も無くて良かったと笑った。


「そろそろ家出ないとやべーぞ、お前ら…」


静かに現れたのはエリック。

エリック・パーカーは少しワイルド系の見た目をしているが、男子にしては珍しい物静かタイプ。


「マジか、急ぐぞアレックス、ミハイル!」


ジェイムズの声に、2人はジェイムズの後ろについて走り、慌てて部屋に走ってリュックを掴んで外に飛びだす。


「遅いぞ、俺たちもう待ちくたびれたぜ?」


飛び出した3人にそう言ったのはマイケル。

マイケル・ウィリアムズは坊主に近い短髪の長身の筋肉質系黒人男子。ニコラスの次に背が高い。


「マイケルは先に行こうとしてたよ」


そう言って笑ったのはケビン。

ケビン・モーガンは長身のぽっちゃり黒人男子で、マイケルと共にニコラスの次に背が高い。


「わりぃ、あいつが驚かすから時間くっちまった」


ジェイムズがそう言って謝れば、マイケルは「それじゃ仕方ない」ってケラケラ笑う。


そんなわちゃわちゃ具合のまま、入学する学校に向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

皆、家族 こびと @hsmlove

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ