「この階段だな。」


資料に描いてあった近道へと走り、アビスへとたどり着く。

従業員はすでに非難済みでそこにはワークが乗り捨ててあった。

俺はワークへと乗り込み、マニュアルを開いた。


「このレバーで歩いて・・・」


マニュアルを読みながらワークを動かす。


「確かタコは音に敏感なはずだ・・・えいっ!」


アームを振り回しアビスの柱を一本破壊した。

柱が崩れる音が鳴り響く。

地上では地響きが近づいていた。


「よし、近づいて来ているな。」


俺はもう一本柱を壊した。

天井がグラついている。


「この上へ来れば、ヤツはここへ沈むはずだ。」


俺は計画を実行し終えた、が・・・


「!?」


崩れた柱の瓦礫は俺のもとへと流れてきた。


「ぐっ・・・」


俺は瓦礫に埋もれ、身動きが取れない。

地上ではタコがすぐそこまで近づいていた。


「ここまでか・・・」


タコはもう上まで来たようだ。

そして、アビスの柱は支えきれずに全て崩れ、タコはアビスまで落ち、ビルの瓦礫に埋もれ、この街と共に沈んだのであった。


「カズ・・・俺もそっちへ向かうよ・・・」


タコ沈没後、報道が流れる。


「タコが、街と共に沈んでいきました!

どうやらアビスの柱が崩れタコが引きずり込まれたようです!

これは我々人類の文明の勝利と言えましょうか!?」


そこに、ハヤトの功績を知るものはおらず、

アビスはビルの瓦礫に埋め尽くされていた。


「・・・!?

これの揺れは、地震でしょうか・・!?」


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街と怪獣 @mikadon236

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