そして彼は生きていく

目が覚めたのは、朝早い時間だった。

妙な夢をずっと見ていた。

あれが現実だったのかはわからない。

でも、自分が病室にいたことから、色々考えられることはある。


手元にホワイトボードがあった。

自分の雑な筆跡で書かれたその言葉は、



『おはよう。もっと自分に素直になっても、あかねは許してくれると思うぞ』



そのぶっきらぼうな言葉につい、笑ってしまった。





「優しいんだね、君は」





病室のドアが開く。

毎日会っているその女性の姿を見て、『俺』は笑顔で言った。






「おはよう。姉貴」




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優しすぎるあなたへ 波樹 純 @yosabito

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