第10話

とある高層ビルの会議室でスーツを着た中年男性2人を前に僕は座っていた。

「お、御社を志望した理由は、、、」

何だっけ?

「えーと」

何だっけ?

「えー」

面接官2人は苦笑いをしていた。

それからの記憶は全くない。


「はー、絶対あの会社落ちたわ」

帰宅途中にため息をついていた。

「これでお祈りメールきたら30社目だよなー」

転職活動辛いー。

「まあ、そんなもんよな」


結局「星空」でのあの1年間は、せっかく資格とかを取る機会があったのにも関わらず、えせ占い師やって終わっただけだった。

けど、充実した時間だったよな。

だって、あの2人が手を繋いで帰るのを見ることができたから。

それで満足だった。

それに何か勇気をもらえた気がした。


だから。


「諦めないぞー!」

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転んでも立ち上がる うみとそら @colorFFF

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