2 とある君の秘密

みんながわいわい話している賑やかな午前の朝とも昼とも言えない時間帯10時13分。次の授業までまだ時間はある。

私はとある事がずっと好きだった人にバレそうだったので逃げて来た所。

と言うのも出会った時から好きだった訳じゃあない。

何なら、最初はうるさくて嫌いだった。

ただ、いつの間にか好きになってた。それだけ。

まあ分かりやすい絡み方をしてるのは分かる。

多分好きなのも本人にバレている。

ただ正直、相手は私のことなんて好きじゃないだろう。

そう考えると何故か変な壁ができてしまう。非常に高く、強大な壁。

ただ、その壁に穴を見つけている。その壁の先に行く穴が。

そかを潜るなら、簡単だがすぐにはできない事。


そう 【告白する】 こと


確かに簡単だ。ただ失敗した時、それが怖いのだ。

ただ1人で廊下を歩いていた・・・


「ねえ。」

聞き覚えのある声にドキッとした。

今の悩みが無くなった。いや、消え失せた。

あの憎たらしい声、あの笑い声が耳、脳内を貫く感触をよく覚えている。

いやだいやだ行きたくない、振り返りたくない、顔を見たくない、声を聞きたくない

背中がすうっと寒くなる。気分がゾッと悪くなる。周りの音なんて聞こえない

周りの声なんて聞こえない

・・・何も・・・ない・・・

あるのは1人の笑顔だけ・・・

ーーーーーーーああ、ここまで来て佐久間を思い出すのか・・・ーーーーーーーーー

ぐしゃ・・・ズルズルズルズル・・・

           いやだ

     いやだ 

   いやだ       いやだ     いやだ


  いやだ     いやだ         いやだ

                 いやだ

         いやだ              いやだ

     いやだ                 

             いやだ

                          いやだ

       いやだ        いやだ

            いやだ

もう金魚は食べたくない、もう辞書で殴られたくない、もう1人で泣きたくない、もう1人で怯えたくない・・・

変な噂を立てられたくない、変な髪にされたくない

もうイジメ飽きてくれ・・・


ガラガラとトイレのドアを閉められる。

ざぶざぶとバケツに水を組む。

「まずアンタには、質問に答えて貰わないと。」

「はいよ」とサイドの人にバケツを渡す。

三対一・・・だいぶ卑怯だ。

「んで、まず一回目。お前・・・時々佐久間と楽しそうにしてるよな?」

グシャっと髪を掴まれゴッと頭を床に打ちつける。鈍い音と、生暖かい液体が一緒に出る。

「あー血が出ちゃったか・・・」

バケツに顔を沈められる。

「これで洗えよ!てめえの汚ねえ脳みそと一緒になあ!」

すると、他の2人が

「うわー・・・汚いーそれ便器の水でしょ?」

「うん。〇〇〇とか〇〇とかあるかもね」

「まあでも家畜にはちょうど良いんじゃなーーーい?」

「あはは!言えてる!」

と最悪な会話が聞こえる。

ぷは・・・はあ・・・はあ・・・

とむせていたが、まあそんな余裕与えてくれるつもりも無く・・・

「お前が楽しそうにしてるのが一番腹立つんだよ!」

再度頭を打ち付ける

「みんなてめえの事嫌ってるん気づかないの?アホだね。」

「全てあんたが悪いんだよ」

・・・コイツらいつもそういう・・・私がなんかした・・・?


「ふう・・・とりま授業遅れるから行こ」

他の2人が付いていく。

「あ、よ。」

外で聞き覚えのある声がした。

「ああ、佐久間・・・なんか用?」

「いや・・・廊下歩いてたら3人でトイレから出てきたから」

「あーね。授業遅れるよ?」

「まあ・・・すぐ行くよ」

(・・・ヤバい・・・ここで出てきたら佐久間にいじめられてんのがバレる・・・)

とりあえず廊下に出て、校庭に出た・・・


「先生」

「佐久間。なんだ?」

「明日香・・・北條さんの様子見に行ってきてきます。ああほら、保健委員ですから・・・」

「構わないが、北條はどうしたんだ?」

「転んだのか、頭に血が・・・」

クラスがザワめく。俺はいじめている山本の方を見る。

「とりあえず行ってきます。」

ガララ・・・と扉を開き、廊下を走り抜けた。

(もしかしたらと思って廊下を歩いていたが・・・本当にいじめられているとはねえ・・・)

そこで一つの事が頭によぎった。

本当に探しに言って良いのか・・・?

本人は隠してるなら知らないふりをしているのが一番なのでは・・・?

・・・まあでも行くだけ行こう。

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とある日、君は僕にさよならと微笑む 新人VTuberノラーアス メアリ @NORA-ASU-MEARI

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