密室で練られる恐るべき犯罪計画

 アラサー女性ふたりの、誕生日プレゼントに関する相談のお話。
 コメディです。半ばショートコントのような雰囲気の掛け合いというか、ふたりの登場人物によるテンション高めの会話劇。内容についてあれこれ説明するのはどうしても野暮というのもあって、あんまりレビューに書けることがないのですけれど、なかなか勢いのあるお話でした。
 作品自体はずっとコメディのノリであるのに対して、実はやっていること(やろうとしていること)が結構えげつないというか、まごうかたなき犯罪(条例違反?)そのものだったりするギャップがすごいです。なんという怪物性……ノリに押されてじわじわ正気を(職業倫理を)失っていく主人公に、ついつい「しっかりしろ!」と手に汗握ってしまうこの感じ。一応ハッピーエンドというか、結果的には成就しなかったことが示唆されているのですけれど、とにかく凄まじいスリルのようなものを感じました。こういうのってなんていうんでしょう? ママ活?
 強烈でした。一見ふざけた様子でありながら、しかし人物への好感が一気に萎えていくかのような、その勢いの楽しい作品でした。