20歳
ユラカモマ
20歳
自分が壊れていくことに一抹の不安を感じながらもどうしようもなく楽しんでいた。
夜遊び、寝不足、やらなくてはいけないことの後回し、初めて自分を叱る大人のいない世界で束の間の自由にのめり込んだ。
このままではいけないと理性と体が警鐘を鳴らしても束の間の自由は底無しに甘美で抜ける気が起きなかった。
今思うと大人になるのが怖かったのだと思う。
毎日早起きして
少し前まで大人になったら仕事して家族持って選挙にも行ってみたいな大人の姿を思い描いていたのに私はいつまでも子供の心のままで大人の体をもて余していた。
自分が壊れたら悲しむ人がいることも分かっていたはずだったのに遠くにいると感じとれなくて初めて自分が自分一人の物になった感覚に酔っていた。
一人で暮らして分かったことは私は一人では生きれないこと。
拠り所を求めて空回ったほろ苦い記憶と今死んでもいいと思えるくらい楽しかった刹那に乾杯!
20歳 ユラカモマ @yura8812
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